ホンダF1、伝統モナコでの通算80勝目で選手権逆転「甘んじず改善のため全力を尽くす」と田辺TD
5月23日に開催された伝統のF1モナコGPで、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが終始リードを築いての盤石の勝利を飾った。ホンダF1としては1992年のアイルトン・セナ以来のモナコでの勝利だった。
16番グリッドからスタートしたアルファタウリの角田裕毅は、スタート時にハードタイヤを選択。ロングスティントを走りポジションを上げる戦略に打って出たものの、1周目に2台に交わされポジションダウン。最後までこの2ポジション分を挽回する事ができず、16位完走という結果となった。
チームメイトのピエール・ガスリーは後続のハミルトンを抑え切る走りを披露。戦略面でアストンマーチンに先行を許す場面もあったが、見事6位入賞を果たして8ポイントを持ち帰り、アルファタウリはアルピーヌを交わしてコンストラクターズ選手権6位に浮上した。
もう一台のRB16Bをドライブしたセルジオ・ペレスは8番グリッドからスタート。オーバーカット戦略で3台を交わして4位でフィニッシュと、着実にポイントを手にした。
この結果、レッドブル・ホンダは計37ポイントを獲得。フェルスタッペンはドライバーズチャンピオンシップでルイス・ハミルトンから首位の座を奪い取り、チームとしてもコンストラクターズ選手権トップに浮上した。ホンダが選手権首位に立つのは1991年以来、30年ぶり。
勝てるはずのレースを落とした序盤の借りを返しての首位逆転劇となったものの、レースを振り返ったホンダF1の現場統括責任者を務める田辺豊治テクニカル・ディレクターは「甘んじず改善のため全力を尽くしたい」と気を引き締めた。
Honda:F1モナコGP決勝
田辺 豊治ホンダF1現場責任者
2021シーズンの第5戦モナコGPで、1992年のセナ選手以来となる勝利を挙げることができました。
モナコのストリートコースで戦う特別なレースで、また過去にホンダF1として多くの歴史を残してきたモナコGPで優勝でき、大変喜ばしい気持ちでいっぱいです。レッドブル・ホンダのフェルスタッペン選手にとってのモナコでの初表彰台、そして初勝利をチーム一同で祝福したいと思います。
ポールポジションのルクレール選手(フェラーリ)がトラブルで出走できないといった要因もありましたが、今日はフェルスタッペン選手とレッドブルのマシン、ストラテジー、そしてホンダのPUがきちんと機能しました。
ペレス選手も力強い走りを見せ、クルマの速さとチームの見事なストラテジーを活かしてスタートグリッドの9番手から大きくポジションを上げる4位でフィニッシュし、チームにとって大きな意味を持つポイントを獲得してくれました。
また、スクーデリア・アルファタウリ・ホンダのガスリー選手は、最初から最後までハミルトン選手を抑え込む走りで6位と、こちらも良いレースをしてくれました。
角田選手はスタートでハードタイヤを選択し、60周以上もマネージするなど、この難しいサーキットを完走することで多くを得てくれた事と思います。前が開いたタイミングでかなり良いラップタイムを刻むなど速さも見せてくれましたが、全体としては予選ポジションが影響した事で我慢のレースになったものと思います。
ホンダとしてはフェルスタッペン選手およびレッドブル・レーシングと共にチャンピオンシップをリードする形となりましたが、まだまだここから長いシーズンが続きます。この先の戦いに向け、チームと共に更にパフォーマンスを改善させるべく、全力を尽くしていきたいと思います。
2021年F1第6戦アゼルバイジャンGPはモナコ同じく公道に仮設されるバクー市街地サーキットで6月6日に決勝レースが行われる。