レッドブル勢が内輪揉め…リカルドとフェルスタッペンがオーストリア予選で喧嘩腰に。その真相は?
6月30日に開催されたF1オーストラリアGP公式予選で、レッドブルドライバー同士が揉め事を起こす場面があった。予選最終Q3に進出したダニエル・リカルドとマックス・フェルスタッペンは、どちらが前を走るのかについて意見が対立。チーム無線には険悪なムードが漂っていた。
公平中立を謳うレッドブルは、過去7年間に渡って予選での走行順位に明確なルールを設けている。それは、どちらのドライバーが先にコースインするかを各グランプリ毎で交代制するというもので、チーム内不和を事前に防ぐ目的がある。出走順序の違いはスリップ・ストリームの利を得られるかどうかに直結するためだ。
高速走行するマシンの後方には、空気抵抗が低いエリアが発生する。後続のマシンはこのエリア=スリップ・ストリームを走行する事になるため、空気抵抗による速度低下を一定程度緩和する事ができ、結果としてスピードアップを図る事が可能となる。
前戦フランスGPではフェルスタッペンが先にコースインしており、今回はリカルドが先行する番。予選Q3の最後のアタックでは、ルールに則ってリカルドが先にピットからコースに入り、その後ろをフェルスタッペンが走行した。そこまでは問題なかった。
だが、アウトラップ中にリカルドが減速。チーム無線でフェルスタッペンに対して指示が飛んだ。「マックス、ダニエルを追い抜いて前に出てくれ」何が起こったのか理解できないフェルスタッペンは断固これを拒否。今回は僕が後ろでしょ!といきり立ち「No!」を連発した。結局順位を入れ替える事はなく、リカルドは7番手、フェルスタッペンは5番手で予選を終えた。
何故このようなアクシデントが起こったのか?関係者の話を総合すると、リカルドと彼のエンジニアとの間では事前に「最後のアタックではフェルスタッペンの後ろを走行する」という合意が形成されていたようなのだが、その事はフェルスタッペン側には伝わっておらず意見が対立した、というのが真相のようだ。いわばコミュニケーション不足という事になる。
予選を終えて事情を把握したリカルドは「マックスの事については怒ってないよ」と述べ、フェルスタッペンが指示を聞き入れなかったのは真っ当だと認めた。チーム代表のクリスチャン・ホーナーは、リカルドの要求もフェルスタッペンの断固とした拒否も、勝利を望むドライバーであれば当たり前に起こる感情だとして「そういった情熱を彼らから奪うような事はしたくない」と述べている。