2022シーズンFIA-F1世界選手権第20戦メキシコGPの決勝レースがメキシコシティ現地10月30日に行われ、マックス・フェルスタッペン（レッドブル）が今季14勝目を飾り、F1シーズン最多勝利記録を更新。総得点を416ポイントとして年間最多ポイント記録をも塗り替えた。

2位はルイス・ハミルトン（メルセデス）。喰らいつくペースを見せるも脅かすには至らず、一度も仕掛けられないままレースを終えた。3位表彰台には地元の英雄セルジオ・ペレスが滑り込んだ。

最前列2番手に着いたジョージ・ラッセル（メルセデス）は、1周目のターン3・4でハミルトンとペレスに追い抜きを許し、挽回できないまま4位でレースを終えた。ラスト2周ではソフトタイヤに履き替え、1分20秒153のファステストラップを刻んで1点を追加した。

予選大敗のスクーデリア・フェラーリはレースでも競争力を欠き、カルロス・サインツは5位、シャルル・ルクレールは6位でクルマを降りた。高地ゆえにエンジンパワーが制限されていた。

中団チーム最上位はダニエル・リカルド（マクラーレン）。角田裕毅との接触の責任を問われ10秒ペナルティを受けるも、ソフトタイヤの優位性を活かして8位エステバン・オコン（アルピーヌ）に十分なギャップを築き、順位をキープした。Driver of the Dayにも輝いた。

マクラーレンは僚友ランド・ノリスも9位と、ダブル入賞を飾った。対してコンストラクターズ選手権4位争いを繰り広げるライバルのアルピーヌは、フェルナンド・アロンソが最終盤にエンジントラブルに見舞われリタイヤを余儀なくされた。

角田裕毅は入賞を見据える11番手を走行していたが、事故による車両のダメージが大きくリタイヤを強いられた。僚友ピエール・ガスリーは11位でフィニッシュした。

入賞圏内最後の一枠にはバルテリ・ボッタス（アルファロメオ）が滑り込んだ。

レース概要

決勝は日本時間30日(日)29時にブラックアウトを迎え、1周4,304mのコースを71周する事で争われた。

現地は晴れ、チャンピオンシップポイントを争う決勝のフォーメーションラップは気温25.2℃、路面46.7℃、湿度34%、780.5hPaのドライコンディションで開始された。

公式タイヤサプライヤーのピレリは中間レンジのC2からC4までのコンパウンドを投入。レッドブル勢、フェラーリ勢、角田裕毅、セバスチャン・ベッテル（アストンマーチン）、ミック・シューマッハ（ハース）、ニコラス・ラティフィ（ウィリアムズ）はソフトを選択。他はミディアムを履いてグリッドに着いた。

事実上、2ストッパーは15位に終わったランス・ストロール（アストンマーチン）のみで、他は全て1ストッパーを選択した。

最大のオーバーテイクチャンスであるオープニングラップでは、フェルスタッペンが好スタートを切ってトップを維持。ラッセルはターン3でハミルトンに、ターン4でペレスに前を許し、4番手にまで後退した。

ストロールをオーバーテイクした際にコース外に追いやったとして、ガスリーには5秒ペナルティが科された。角田裕毅はポジションを2つ上げて11番手に浮上した。

ピットが動いたのは23周目。まずは3番手を走行していたペレスが飛び込むも、左リアタイヤの交換に手間取り停止時間5秒を要した。

首位のフェルスタッペンは26周目にミディアムに交換。メルセデス勢は異なる戦略を採り、ハミルトンは30周目、ラッセルは35周目にハードに履き替えた。

残り23周、11番手争いを繰り広げていたリカルドがターン6のイン側に飛び込んだ。その結果、接触事故が起こり、右リアがリカルドの左フロントに乗り上げた事で角田裕毅の車体右側が宙に浮いた。

角田裕毅は自走してピットに戻ったものの、フロアやボディーワークに激しいダメージを負い、そのままガレージにクルマを収めた。

ソフトを履くリカルドはその後、チームメイト、ボッタス、アルピーヌ勢を楽々と攻略し7番手にまでポジションを上げていった。

残り9周、9番手を走行していたアロンソがメインストレートを通過中、リアから白煙を吐いてコース脇にクルマを停めた。車両回収のためにバーチャル・セーフティーカー（VSC）が導入されたが誰も動かなかった。

2022年F1第20戦メキシコGP決勝リザルト

コンディション

セッション概要

サーキット

F1メキシコGP特集