角田裕毅との事故について釈明するリカルド、7位に歓喜も心境複雑
F1メキシコGPで発生した角田裕毅との接触事故についてダニエル・リカルド(マクラーレン)は、自身に責任の一端があると認めながらも、それほど悪いとは感じていないと言う。ただ、相手をリタイヤに追いやってしまった事については申し訳なく思っているようだ。
ターン6でのリカルドの動きについてスチュワードは「遅すぎ、かつ楽観的すぎ」であり、全面的な非があるとして10秒ペナルティを科した。
この事故が原因で角田裕毅はリタイヤしたが、リカルドは後続とのギャップを積み重ね、7位入賞を守った。
更に世界のF1ファンはこの日のDriver of the Day(ドライバー・オブ・ザ・デイ)にリカルドを選出した。24.4%という得票率で地元出身のセルジオ・ペレス(レッドブル)を抑えた。
レース後にSky Sportsのインタビューに応じたリカルドは「今年初めて、ようやく(ドライバー・オブ・ザ・デー)だ!如何に悪いシーズンだったかがよく分かるね!」と笑顔を見せたが、事故については思うところがあるようだ。
「すごく嬉しいけど複雑だよ。10秒ペナルティの件があったからね。相手がリタイアしてしまうような接触は絶対に避けたい」
スチュワードは、一件の全面的な責任はリカルドにあるとしたが、映像を見直したリカルドは、その判断は誤りだと感じている。
「リプレイ映像を見たけど、今はそれほど悪いとは思ってないんだ。もちろん、起きて欲しくなかったけどね」
「5秒なら良いけどね…幾らかもう少し責任を引き受けるつもりだけど、100%自分のせいだとは言えないな」
The Raceによるとリカルドは、ターン6でオーバーテイクを仕掛けたわけではなかった。
「ロックはしなかったし、エイペックスに留まっていた。正直、あそこで彼をオーバーテイクするつもりはなかったし、したかったわけでもないんだ」とリカルドは語る。
「あのコーナーはイン側の方がグリップがあったんだ。つまり僕がイン側に寄って彼をダーティラインに留めておけば、上手くコーナーを立ち上がれると考えたんだ」
「もしかするとお互いにあと20~30センチ、譲り合う必要があったようにも思う。(接触を)望んでいたわけじゃないし、申し訳ない気持ちだけど、10秒は十分すぎる位だと思う」
好ペースを刻んで入賞街道を邁進している最中の厳しいペナルティ裁定は、リカルドの気分を落ち込ませるに十分だった。
「トム(レースエンジニアのスタラード)から10秒だって言われて、僕はそれに応えなかった」
「すごく陰鬱な気分になってね。それでもペースが本当に良かったから、進み続けることにした。それでどうにかこうにか、上手くいった」
10月30日(日)にエルマノス・ロドリゲス・サーキットで行われた2022年F1第20戦メキシコGPでは、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が今季14勝目を挙げてシーズン最多勝利記録を更新した。
インテルラゴス・サーキットを舞台とする次戦サンパウロ(ブラジル)GPは11月11日のフリー走行1で幕を開ける。