大敗フェラーリ、2つの原因…高地エルマノス・ロドリゲスで最大パワー発揮できず
マッティア・ビノット代表によるとF1第20戦メキシコGPでスクーデリア・フェラーリが大敗を喫したのは、パワーユニットのフルパワーが使えなかった事を含めて2つの要因があるようだ。
カルロス・サインツとシャルル・ルクレールは予選で各々5番手と7番手に留まり、5位と6位で決勝を終えた。昨年も5-6というリザルトだった。優勝したマックス・フェルスタッペン(レッドブル)とのギャップは1分。今季最大の差だった。
今回の不振についてビノットは予想外の事態だったと明かした。FP2がピレリのタイヤテストに割り当てられたこともあり、自分達が深刻な問題に見舞われていると認識したのは2日目になってからの事だったようだ。
4メーカーの中で最もパワフルだとの見方もあるフェラーリの2022年型F1パワーユニット「066/7」は、ビノットによるとターボチャージャーがライバルに比べて小さい。
ライバルと同等の出力を発揮するためには、より高速でターボを稼働させなければならないが、高地エルマノス・ロドリゲスは空気が薄いため、ただでさえいつも以上に大きな負荷が掛かる。
故障のリスクを下げるためにフェラーリは、ターボの回転数を抑え出力面で妥協した。
エルマノス・ロドリゲスの3分の1程度ではあるものの、レッドブル・リンクも標高が高い。今年のオーストリアGPではサインツがエンジンブローに見舞われリタイヤを余儀なくされた。
Race Fansによるとビノットは「それほど効率が良くないというか、少なくともここで最大限のパワーを発揮する余裕はなかった」と認めた。
「ドライバー達が言っていたような妥協、つまりパワーユニット(PU)の面でベストなパフォーマンスを発揮できていなかったのは確かだ」
更にビノットは「それ以上の何かがあるのは間違いない」とも述べ、パワーダウンよりもハンドリングの問題の方が遥かにラップタイムを損ねていたとの考えを示した。
「乗り心地もバランスも良くなかった。この後のデブリーフィングでドライバー達がクルマが曲がらなかったと言うのは間違いないだろうね」
「これが他の要因を検討する必要があると考えている理由だ。現時点ではハッキリとした説明ができないがね」
2週間後に控えるブラジル・サウンパウロGPの舞台、インテルラゴス・サーキットはエルマノス・ロドリゲスに次いでカレンダーの中で2番目に標高が高い。PU面で再び妥協を強いられる事が予想される。