メルセデスのフォーミュラEマシンに刻まれたスリーポインテッドスター
Courtesy Of Daimler AG

メルセデス、僅か3年でフォーミュラE撤退…EV開発とF1にリソースを集中

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メルセデス・ベンツは2021年8月18日、シーズン8の閉幕を以てメルセデスEQフォーミュラEチームへの関与を終了し、FIAフォーミュラE世界選手権から撤退すると発表した。以降は電気自動車(EV)の開発とF1にリソースを集中するという。

ワークス参戦から僅か3シーズンでの撤退となった。メルセデスはHWAと提携してシーズン5(2018–19シーズン)に足場を固めた後、翌年に「メルセデスEQフォーミュラEチーム」としてワークス参戦を開始した。

ストフェル・バンドーンとニック・デ・フリースのコンビで挑んだ2年目の今年にダブルタイトルの快挙を飾ったが、EV一本化を目指すとのグループ戦略を受け、2022年8月のシーズン8閉幕を以て撤退する事を決断した。

メルセデスを傘下に持つダイムラーは7月下旬、2030年までに新車販売をEVのみとする戦略を発表した。その一環としてメルセデスは、2025年に導入を予定する3種類のEV専用アーキテクチャーの開発を含めて、電動化を加速的させるために経営資源を集中する事を決定した。

メルセデスは今後、モータースポーツ活動をF1に集中させる。曰くF1を「持続可能でスケーラブルな未来のパフォーマンス技術を開発・実証する最速の実験室」として利用していくとの事だ。

ダイムラー・グループ研究部門を率いるマーカス・シェーファーは「フォーミュラEは当社の専門性を証明し、メルセデスEQブランドを確立するための良い礎となったが、今後はF1に焦点を当てて、特に電気駆動の面での技術的進歩を推し進めていく」と説明した。

「F1は自動車業界における最も厳しい競争が繰り広げられている場であり、また我々の技術をテストする場でもある。F1は、Vision EQXXのような進行中のプロジェクトに見られるように、技術移転の豊かな可能性を秘めている」

なおフォーミュラEチームに関しては売却を含めて、第3世代マシン「Gen3」時代が幕を開ける2022-23年シーズン以降も参戦を継続できるよう、あらゆる選択肢を検討しているという。

メルセデスEQフォーミュラEのチーム代表を務めるイアン・ジェームズは「メルセデスは撤退を決定したが、我々はフォーミュラEの価値とパワーを認識しており、シーズン8以降も戦い続けるための最良の選択肢を検討していく」と説明した。