ピットストップ練習を行うメルセデスAMG、2020年F1シュタイアーマルクGP
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メルセデス、ギアボックスの懸念払拭できず…縁石避け走行へ / F1シュタイアーマルクGP

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開幕オーストリアGPでギアボックスの信頼性に不安を抱えたメルセデスAMG。トト・ウォルフ代表は同じレッドブル・リンクで開催される7月12日のF1シュタイアーマルクGP決勝レースで、可能な限り縁石を避けて走行する必要があると認めた。

シュピールベルクのサーキットは、その美しき景観とは裏腹に”マシンクラッシャー”の異名を取るクルマに過酷なコースであり、メルセデスの2台は先週末のレースでギアボックスに重大な問題を抱えた。最終的には無事に完走を果たしたものの、ウォルフ代表は「即死」の可能性もあったという表現でその深刻さを表現した。

この問題は、凶暴な縁石を含むレッドブル・リンクのコース特性がもたらす振動が直接の原因と考えられている。振動によってシステムに電気的なノイズが発生し、これがギアボックスの正常な稼働を脅かしているようだ。

1週間という短い期間にも関わらず、チームは今回のレースに新たなソリューションを持ち込んだ。だが、これは問題を根本的に解決するものではなく「緩和」させる性質のものであり、依然としてギアボックスに深刻な影響が発生する可能性がある。

そのため71周のレースでは一切縁石に手を付けない事が理想だが、2台は”別の驚異”と戦わなければならないため、ウォルフ代表は縁石を全く使わないわけにはいかないと説明する。

「マックス(フェルスタッペン)がレースを先導しようが我々の後方にいようが、縁石を使わずにクルージング走行することはできない」とウォルフ代表。

「サスペンションに絶えず大きな負荷をかけ続ける事になれば、我々は頭痛の種を抱えることになる。そのため、いったんポジションを固めたら後は縁石を避ける事になるだろう。これはオーストリアのサーキットに固有の話題だ」

11日土曜の予選でメルセデスは、ルイス・ハミルトンが通算89回目のポールポジションを獲得した一方、前戦ウィナーのバルテリ・ボッタスはメルセデス移籍後としてはレッドブル・リンクでの予選ワーストとなる4番手に終わった。

ボッタスはセッション中に、右フロントのブレーキディスクにグレージング(摩擦材表面がガラスのようにツルツルしてしまい制動力が落ちる現象)を抱えたために制動力が落ち、更にはタイヤの熱入れが難しくなったために思うようなドライビングが出来なかった。

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