英国ブラックリーのファクトリーで開発にあたるメルセデスAMGのスタッフ
Courtesy Of Mercedes

王者メルセデスAMG、2019年のF1パワーユニット開発に遅れ「少し壁にぶち当たっている」

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メルセデスAMGのモータースポーツ責任者を務めるトト・ウォルフは、2019シーズン用のF1パワーユニット開発に手こずっており、計画に遅れが発生している事を認めた。

「開発競争は途方もないレベルだ」とウォルフ。スポンサーイベントに出席し、開発の進捗の一部を明かした。「ダウンフォースを見出しつつも空気抵抗を抑えなければならない。エンジンは非常に重要な部分で、更に馬力を向上させる必要がある」

「そのため我々は、自分達自身に非常に野心的な目標を設定した。ライバルメーカーが上手く開発を進めているという噂を聞いて、6週間前に目標値を増やしたんだ」

エアロダイナミクスに関しては風洞実験で良いデータが得られているようだが、エンジン開発は計画通りに進んでおらず、スケジュールに遅れが発生しているという。

「新しいエンジンコンセプトによってもう少しパフォーマンスを上げられると考えているが、現時点では少し壁にぶち当たっている状況だ」

1.6リッターV6ハイブリッドターボ導入以降、メルセデスはフェラーリやルノー、ホンダに対して圧倒的な先行者利益を見せつけ、別次元の速さを示してきた。だが先行している分だけ伸び代は少なく、年を経る毎にライバルとのギャップは縮小。2018シーズンではマラネロのエンジンがメルセデスに肉薄する出力を叩き出した。

実際、今年のチャンピオンシップ争いは現行レギュレーションが施行されて以降最も激しく、来シーズンは空力関連の大きな規約変更がある事もあり、トップチームの格差が一層縮まる事が期待されている。