メルセデスAMGペトロナスF1チームのルイス・ハミルトン、2020年F1バーレーンGPにて
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ルイス・ハミルトン、手紙による人権問題の訴え受け バーレーン政府関係者や英国大使と会談

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メルセデスのルイス・ハミルトンは、バーレーンで拷問などの人権侵害を受けたと主張する被害者や人権活動家から複数の手紙を受け取った事を受けて、バーレーンのロデリック・ドラモンド英国大使やバーレーン政府関係者らと話し合った事を明らかにした。

史上最も成功したグリッド唯一の黒人ドライバーであるハミルトンは、昨年より反人種差別運動を声高に推進し、F1を多様性あるスポーツとすべく様々な場で意見を表明してきた。それだけに、多様性や平等性といった観点からの様々な要請の的となりつつある。

警官によるブレオナ・テイラーさん射殺事件に抗議するTシャツを着用するメルセデスのルイス・ハミルトン、2020年F1トスカーナGPにてcopyright Twitter@LewisHamilton

警官によるブレオナ・テイラーさん射殺事件に抗議するTシャツを着用するメルセデスのルイス・ハミルトン、2020年F1トスカーナGPにて

2011年の政府批判勢力や抗議行動者らに対する軍と治安部隊による弾圧、いわゆるバーレーン騒乱を始めとして、恣意的逮捕や拷問・虐待など、バーレーンでは長年渡り人権侵害が問題視されてきた。2011年のバーレーンGPは騒乱を受け中止に追い込まれている。

F1は「We Race As One」イニシアティブを掲げるなど多様性を重視する姿勢を示しているものの、人権侵害が問題視される国々でもグランプリを開催しており、この点については、かねてより批判の対象となっていた。そして今年、同じように人権侵害批判に晒されているサウジアラビアでのイベント開催が決定した事で、再び問題への関心が高まっている。

ハミルトンは人権問題への助力を求める複数の手紙を昨年受け取った事を明らかにした上で「かなり重くのしかかる内容だった」と述べ、状況を把握するため個人的に様々な意見を聞いて回ったと説明した。

「旅の途中であんな手紙を受け取ったのは初めてだった。ここ数年は毎年のようにバーレーンに訪れていたにも関わらずそうした問題の詳細を知らなかったから、色々学ぶために数ヶ月間に渡って時間を費やした」

「法律的観点から人権の専門家に話を聞いたり、アムネスティのような人権団体にも話を聞いた。それからバーレーンにいる英国大使に会い、バーレーン政府関係者とも話をした」

具体的に何を話したのかについては「私的な行動」であり「進展を妨げるようなことはあまり言いたくない」として明らかにしなかったものの「できる限りの協力をしたいと思っている」と約束した。

また、人権問題へのF1としての対応の必要性について問われるとハミルトンは「レース開催地を決定する権限は僕にはない」と答え、次のように続けた。

「僕らは皆、平等な権利を持っているわけで、人権が政治的問題になってはならないと思っている。それがF1の責任かどうかという点については、僕があれこれ言う事ではないかもしれない。でも先に述べたように、僕は理解するための一歩を踏み出した」

「僕らはスポーツという立場で様々な国を訪れているけど問題は世界中で起きている。でも、その国で起きていることを無視して、ただ楽しい時間を過ごして帰るような事はあってはならないと思うんだ」

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