アルバート・パーク・サーキットのスタートシグナル
Courtesy Of Zak Mauger/LAT Images

F1オーストラリアGP:1周5秒もの高速化をもたらすアルバート・パークの大規模レイアウト変更

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F1オーストラリアGPを主催するオーストラリア・グランプリ・コーポレーション(AGPC)は2022年のレース開催に向けて、アルバート・パーク・サーキットにレイアウト変更を施した。予選でのラップタイムは約5秒高速化する。

シーズンオープナーとしてお馴染みのメルボルンのコースは初の路面再舗装に際し、オーバーテイクの促進を目的として1996年の初開催以来、最大規模のレイアウト変更を実施した。公園内には重機が入れられ、大掛かりな改修工事が行われた。

F1オーストラリアGPの舞台アルバート・パーク・サーキットの新しいコースレイアウトcopyright Formula 1

F1オーストラリアGPの舞台アルバート・パーク・サーキットの新しいコースレイアウト

変更されるコーナーは7つに及び、その内の2つは撤去された。シミュレーションによると平均時速は約15km/h上昇して251km/hとなり、ラップタイムは1分21秒から1分15秒8へと約5秒短縮される。

AGRCのアンドリュー・ウェスタコットCEOは新たなレイアウトについて「メインとなるのは、ロス・グレゴリー・オーバルとロス・グレゴリー通り近くの湖南端にある(新たな)ターン11だ。ここがオーバーテイクポイントになるだろう」と展望を示した。

最も大きな変更箇所はシケイン(ターン9及びターン10)の廃止だ。変更後は緩やかな右コーナーへと姿を変える。

これにより新たなターン11が格好の追い抜きポイントになるものとみられている。変更後のレイアウトでの最高速はターン11の330km/hとなる見通しで、ブレーキング時のGフォースは5.4Gに達するとの推計だ。なおこのセクションにはDRSゾーンの追加が検討されている。

ターン1、3、6、13、15はコース幅が拡張され、ターン13と15に関しては複数のレーシングラインが取れるようキャンバーが変更された。ターン6はコース幅の拡張により、通過速度が現行の約149km/hから219km/hへと大幅に向上する。

変更箇所 変更内容
ターン1 コース幅を2.5m拡張
ターン3 コース幅を4m拡張
ターン6 コース幅を7.5m拡張
ターン9・10 シケインを撤去
ターン13 コース幅を3.5m拡張
エントリーポイントを奥に
キャンバーの変更
ターン15 コース幅を3.5m拡張
キャンバーの変更

地元オーストラリア出身のダニエル・リカルド(マクラーレン)は、従来のレイアウトはコース幅が狭いことでオーバーテイクの機会が損なわれていた部分があるとして、新しいレイアウトは、より接近したホイール・トゥ・ホイールのバトルをもたらすはずとの考えを示した。

今季のF1オーストラリアGPは当初、開幕戦として3月に開催が予定されていたが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で11月19-21日に延期された。

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