
フェルスタッペンの名参謀「GP」にアストン電撃移籍説、”チーム代表級オファー”との報道
マックス・フェルスタッペン(レッドブル)と長年タッグを組み、その冷静沈着な無線対応でファンからも「GP」の愛称で親しまれてきた担当レースエンジニア、ジャンピエロ・ランビアーゼに、アストンマーチンへの電撃移籍の可能性が浮上した。
イギリスの専門メディア『The Race』が、事情に詳しい複数の関係筋の話として報じたところによると、アストンがランビアーゼに対して上級職への就任を打診し、すでに交渉が行われたという。
名コンビに漂った別れの予兆
Courtesy Of Red Bull Content Pool
パドックで担当レースエンジニアのジャンピエロ・ランビアーゼと会話するマックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)、2025年3月13日(木) F1オーストラリアGPプレビュー(アルバート・パーク・サーキット)
2人の関係の終焉を予感させる出来事は、フェルスタッペンがわずか2点差でランド・ノリス(マクラーレン)に敗れ、5連覇を逃した2025年の最終戦アブダビGPですでに起きていた。
フェルスタッペンがトップチェッカーを受けた後、ランビアーゼは無線で「誇りに思っていい、胸を張れよ」と語りかけた。これに対しフェルスタッペンは「僕らは最後にもう一度、誰がボスかを見せつけられたね」と意味深な返答をした。
ピットウォールで感極まるランビアーゼの姿とこのやり取りは、2016年から続いた名コンビの「ラストラン」だったのではないかという憶測を呼んだ。両者はこれまでに4度の世界タイトルと71勝を積み重ねてきた。
当初は、ランビアーゼがレッドブル内でサーキット帯同のシニアポジションに異動する可能性が取り沙汰されていたが、ここに来て「ライバルチームへの移籍」という新たなシナリオが浮上した。
ニューウェイ体制を支える要職オファー
Courtesy Of Aston Martin Lagonda Limited
ピットウォールに立つアストンマーチンのエイドリアン・ニューウェイ(技術業務執行取締役)、2025年11月28日(金) F1カタールGP(ロサイル・インターナショナル・サーキット)
注目すべきは、アストンがランビアーゼに提示しているとされるポジションだ。単なるエンジニア職ではなく、チーム代表やCEOクラスを含むマネジメント職での起用が議論されているという。
アストンは2026年から、空力の鬼才エイドリアン・ニューウェイがチーム代表に就任することを発表している。一方でニューウェイ本人は「設計への関与を減らすつもりはない」と語っており、スポンサー対応やメディア業務、組織全体のマネジメントといった役割は、別の人物が担う可能性が高いとみられている。
こうした状況の中で白羽の矢が立ったのが、レッドブル時代にニューウェイと良好な関係を築き、パドックでの信頼も厚いランビアーゼだ。
流出止まらぬレッドブル陣営
仮にランビアーゼの移籍が実現すれば、フェルスタッペンにとっては大きな痛手となる。
レッドブルでは、2025年シーズン限りでモータースポーツ・アドバイザーのヘルムート・マルコが引退するほか、パフォーマンスエンジニアのトム・ハート(ウイリアムズ移籍の噂)、コントロールエンジニアのマイケル・マニング、エンジンエンジニアのデビッド・マートら、主要スタッフもチームを去る。
ランビアーゼが個人的な事情で欠席したオーストリアとベルギーで彼の代役を務めたサイモン・レニーが、2026年のフェルスタッペン担当エンジニアの有力候補と見られているが、長年の相棒を失う影響は計り知れない。
Courtesy Of Red Bull Content Pool
レッドブル・レーシングのダニエル・リカルドとレースエンジニアを務めるサイモン・レニー、2018年F1アブダビGPにて
レッドブルは、組織にとって重要な存在であるランビアーゼの引き留めに全力を尽くすとみられる。だが、アストンマーチン・ホンダが描く「ドリームチーム」構想は、4度のワールドチャンピオンの足元を確実に揺るがしている。そしてそれは、フェルスタッペン自身の去就を左右する引き金となる可能性もある。
一方で、ドイツの専門メディア『F1-Insider』は、ランビアーゼが今後もフェルスタッペンのレースエンジニアに留まる見通しだと伝えている。