フェルスタッペン激昂「バカにしたような笑みだな」“最後の質問”で凍り付いた会見場、2点差敗退の裏にあった自負

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マックス・フェルスタッペン(レッドブル)は2025年F1最終戦アブダビGPで今季最多となる8勝目を挙げたものの、ランド・ノリス(マクラーレン)にわずか2ポイント及ばず、5年連続の王座を逃した。

それでもフェルスタッペンはレース後、穏やかな表情を見せていた。ある質問が、4度のF1王者の逆鱗に触れるまでは。

最後に凍り付いた記者会見場

今季、フェルスタッペンが犯した明らかなミスは片手で数えるほどしかない。その一つがスペインGPでのジョージ・ラッセル(メルセデス)への衝突だった。

レース後の記者会見の締めくくりに、英国メディアのとある記者が「スペインでのラッセルとのインシデントを後悔しているか」と問いかけた瞬間、場の空気が一変した。

「長いシーズンの中で起きた他のすべてのことは忘れて、バルセロナのことだけを言うんだな」

「…そういう質問が来るとは思っていたけどね」

フェルスタッペンは睨みつけるような視線をに向け、数秒間の沈黙が流れた。その後、短く「ああ」と返したが、再びの沈黙後、記者の反応を見てさらに苛立ちを募らせた。

「今、バカにしたような笑みを浮かべているな」

フェルスタッペンは、静かに、それでいて、心底腹を立てた様子でこう言い放った。そして、落ち着いたトーンで次のように続けた後、マイクを置いて会場を後にした。

「人は経験から学ぶものだ。チャンピオンシップは(スペインでの一件だけで決まるわけではなく、)24戦を通して決まる。僕はシーズン後半、たくさんの“早めのクリスマスプレゼント”をもらった。君はそのことについて質問することもできるはずだ」

フェルスタッペンが言う“クリスマスプレゼント”とは、おそらく最速のクルマを持ちながらも取りこぼしを重ねたマクラーレン勢を指しているのだろう。隣にはオスカー・ピアストリが座っていたが、彼に対して同種の質問が投げかけられることはなかった。

100点差からの奇跡的な猛追と、自負

フェルスタッペンがこれほど神経を高ぶらせた背景には、今季成し遂げた驚異的な巻き返しに対する自負があるように思われる。

シーズン中盤、レッドブルは競争力を失い、チーム代表だったクリスチャン・ホーナーが解任されるほどの混乱に直面した。オランダGP終了時点でフェルスタッペンと当時のランキング首位オスカー・ピアストリ(マクラーレン)との差は104ポイント。常識的には逆転など望むべくもない状況だった。

だが、ここからフェルスタッペンは驚異的な追い上げを演じる。オランダGPから10戦連続で表彰台に立ち、そのうち6勝を積み重ねた圧巻のパフォーマンスでタイトル争いに食らいついた。

だからこそ、記者にその意図があったかどうかは分からないものの、フェルスタッペンは、あの質問を“たった一つのミスをあげつらうもの”として受け取ったのではないか。

タイトルには届かなかった。だがフェルスタッペンの胸の内にあるのは、敗北の悔しさではなく、これ以上ないほどの手応えだった。実際、会見の中盤には「後悔はない」と言い切っていた。

今季の勝利数はノリスやピアストリを上回り、表彰台の回数に至っては、自身が王者となった2024年シーズンを超えている。そして2010年に現行のポイントシステムが導入されて以降、今季は最も僅差でチャンピオンシップが決着する歴史的な接戦だった。

フェルスタッペンは昨季の閉幕時よりも、今季の方が充実した気持ちでいると明かしている。

「もちろん、タイトルを獲るほうが気分はいい。でも正直、今の僕は、昨年のこの時期よりも良い気分でここに座っていると思う。昨年の後半もかなりトリッキーだったし、一年近く僕らは苦しみ続けてきた。昨年の後半から今年の前半にかけてね。でも今は本当に気分がいいんだ」

「タイトルを逃したのは残念だよ。でも同時に、タイトルなんて長いこと考えてもいなかった。数戦前まで、自分がタイトルを争っているとさえ感じていなかったんだ。クレイジーな話だよ」

「プライドの持ち方は人それぞれだ。僕は自分自身に満足しているし、来年に向けて自分のスキルや何かを不安に思うような状態じゃない。だから、気分はいいんだ」


2025年F1最終第24戦アブダビGPでは、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が今季最多となる8勝目をポール・トゥ・ウインで飾ったが、ランド・ノリス(マクラーレン)が3位でフィニッシュし、自身初のワールドチャンピオンに輝いた。

史上最多の24戦となった2025年シーズンはアブダビでフィナーレを迎えた。新たな技術レギュレーションが導入される未知の2026年シーズンは、3月6日のオーストラリアGPで幕を開ける。

F1サーカスは決勝後のアブダビテストを経てウィンターブレイクに入るが、その休息は長くない。1月26日〜30日にはバルセロナで非公開の合同テストが行われ、2月には11日〜13日と18日〜20日の2回に分けて公式プレシーズンテストが実施される。

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