
ザク・ブラウン、角田裕毅を痛烈批判「一線を越えた危険な動き」ノリスお咎めなしの理由…王座を巡る援護ディフェンス
マクラーレンのザク・ブラウンCEOは、2025年F1第14戦アブダビGP決勝で起きたランド・ノリスとのインシデントを巡り、角田裕毅(レッドブル)のディフェンスを厳しく批判した。「危険かつ不必要な動きだった」と述べ、スチュワードが下した処分を全面的に支持した。
「チームプレーにも限度がある」
レッドブルでの最終戦となった角田に託された役割は明白だった。僚友マックス・フェルスタッペンの逆転タイトルのため、自らのレースを二の次にしてでもノリスの前に立ちはだかることだ。
角田はハードタイヤで第1スティントを引っ張り、ピットアウトしたノリスを後方に従えて、防衛戦を展開。オーバーテイクを仕掛けてきたノリスに対し、ターン6へと向かうストレートで左右にクルマを振ったところ、行き場を失ったノリスがコース外へ逃れながらオーバーテイクを強行した。
Here's a replay of Norris overtaking Tsunoda 👀#F1 #AbuDhabiGP pic.twitter.com/qi6NGBEECg
— Formula 1 (@F1) December 7, 2025
この件についてブラウンは直後、レッドブルがタイトル争いを踏まえた戦略を採る点は理解できるとしつつも、角田のドライビングは限度を超えていたと批判した。
「F1がチーム競技である以上、2台目のマシンがもう1台を助けようとするのは驚くことではない。だが、限度というものがあると思う」
「ただ、(チームが)ドライブしているわけではない。ゆえに、あれはユーキ本人に責任がある。私の見解では一線を越えていた。危険な動きだった」
なぜノリスはお咎めなしか? 裁定のロジック
デレク・ワーウィックを含む4名のスチュワードは、この件に関して角田に5秒のタイムペナルティと、ペナルティポイント1点を科した。これで角田の累積は8点に達した。一方で、コース外走行で前に出たノリスへの処分は見送られた。
判断の根拠とされたのは「ドライビング標準ガイドライン」だ。
スチュワードは、角田が「複数回にわたって進路変更を行った」ため、ノリスは接触を避けるためにコース外に逃げざるを得なかったと結論づけた。この状況は「押し出された場合はコース外走行とみなさない」というガイドラインの規定に該当する。
つまり、形式上はノリスのコース外オーバーテイクだが、その原因を作ったのは角田の「複数回にわたる進路変更」であるという論理だ。
ブラウンはこの判断について「適切な決定だったのは明らかだ」と述べた。
不満を隠せなかった角田
角田にとって、この裁定は受け入れがたいものだった。チームからペナルティを告げられると、無線で不満を露わにした。
「ペナルティ!? 何のペナルティだよ?」
Yuki is told about his five-second penalty 🔊#F1 #AbuDhabiGP pic.twitter.com/XDbsry07qf
— Formula 1 (@F1) December 7, 2025
チームのために体を張り、限界ぎりぎりの攻防を続けた角田。だが、その代償となった5秒ペナルティにより、レッドブルでの最終戦をポイント獲得で締め括ることはできなかった。
そのうえ、ノリスが3位でフィニッシュしたことでフェルスタッペンの逆転タイトルは届かず、ノリスが自身初のF1ワールドチャンピオンに輝く結末となった。
Courtesy Of McLaren
F1ワールドチャンピオンを獲得したランド・ノリスをレース後のパルクフェルメで祝福するマクラーレンのザク・ブラウンCEO、2025年12月7日(日) F1アブダビGP決勝(ヤス・マリーナ・サーキット)