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メルセデスAMGのルイス・ハミルトンは、鈴鹿サーキットで開催された2017年のF1日本GPで、1分27秒319の新しいコースレコードを樹立した。11年に渡って金字塔を守り続けたのは皇帝ミハエル・シューマッハ、2006年10月7日のF1日本GP予選で1分28秒954を打ち立てた。
ハミルトンとシューマッハとのタイム差は1秒635。11年という年月の間に、F1マシンはその心臓部である動力源はもとより、マシンの外観も大きく変貌を遂げたわけだが、一体どの位速くなったのだろうか?シューマッハのチームメイトだったフェリペ・マッサの予選ランと、ハミルトンの予選アタックを比較したオンボード映像でその差を見比べてみたい。
まずは、両方のマシンを簡単に紹介しよう。2006年は1995年以来となるエンジンルールの大幅改定があった(参考:F1エンジンの歴史 – 馬力・気筒数・排気量の推移を振り返る)それまでの3リッターV10エンジンから2.4リッターV8エンジンへと変更され、馬力は930から740へと減少した。
シューマッハとマッサが駆ったのはフェラーリ 248 F1。マシン重量はドライバーやカメラ等を含めて僅か600kg、対するハミルトンのF1 W08 EQ Power+は728kgと、その差は128kgもある。
W08 EQの馬力については諸説あるものの、ERSとICEを合計して1000馬力以上との見方が大勢を占める。
まず注目されるのは1コーナー。エンジン全開で進入するハミルトンに対してマッサは遅れを取る。だが、重量の軽いフェラーリ 248 F1はS字区間で挽回する。ただしその後はW08 EQの圧勝。セクター2とセクター3は2017年マシンの独壇場となった。
見返してみて気づくのは、2006年のフェラーリは130Rを全開で通過しているという点。確かに1.6秒という差は計り知れない程大きなものではあるが、当時のF1マシンもそれ相応に速い事に驚きを禁じ得ない。