フェルスタッペン、大一番の鈴鹿セクター1で思わずこぼれた笑み…ホンダのお膝元での戴冠に意欲
マックス・フェルスタッペン(レッドブル)はレースリザルトに決定的影響を及ぼす大一番の最中にも関わらず、右に左にと強烈な横Gに揺さぶられながら鈴鹿サーキットのセクター1で思わず笑みがこぼれたと明かした。
今季最悪のリザルトに終わった前戦シンガポールGPを経て、鈴鹿での1ラップに挑むフェルスタッペンの走りに1週間前の面影はかけらも見当たらなかった。0.581秒差でのポールポジションは、2003年にルーベンス・バリチェロがファン・パブロ・モントーヤを0.699秒差で破って以来、鈴鹿での最大のポールギャップとなった。
特に驚異的だったのはS字擁するセクター1のパフォーマンスだ。僅か30秒に過ぎないこの区間だけでフェルスタッペンはマクラーレンにコンマ2秒差、チームメイトのセルジオ・ペレスに対しては0.427秒という圧倒的な差を付けた。アルファロメオ勢に至っては1秒だ。
フェルスタッペンは概して自身のパフォーマンスに控えめなドライバーだが、世界屈指のテクニカルコースを舞台に、今回ばかりは大いに満足した様子だ。
「1ラップ目から良かったから、自信を持って走ることができた。もちろん週末を通して、特に予選Q3では少しずつクルマに対してアジャストしていくわけだけどね」とフェルスタッペンは振り返る。
「クルマに自信が持てると、特にセクター1ではクルマをコントロールしつつも限界まで攻め込むことができる。ドライビング中に思わず笑みがこぼれたよ」
「ポールポジションを獲ってもラップタイム的にはまぁまぁで、もう少し改善の余地があるなって感じたりするんだけど、今日は、そして今週末はコースに出さえすれば何も考えずにタイムを叩き出せるという感触があったんだ」
「他のコースだとなかなか、こういう事はないんだけど、兎に角、そのおかげでドライブするのが本当に楽しかったんだ」
先週末のマリーナベイ市街地コースでの不振については、技術指令(TD018)による”たわみ”規制強化の影響と指摘する声が一部にあったが、フェルスタッペンは鈴鹿での走りを以て、それが事実無根の憶測に過ぎないことを証明した。
「確かに僕らは酷い週末を過ごした。するとみんなは、それは技術指令のせいだって言い始めるわけだけど、僕に言わせれば黙ってろって感じだね」とフェルスタッペンは語る。
「でもまぁ、僕自身はここで良い週末を過ごそう、僕らが力強い事を示そうって気合が入ったよ」
自身の圧倒的ポールに加えて、コンストラクターズ選手権のライバル、メルセデスとフェラーリがマクラーレン勢の後塵を拝した事で、レッドブルの鈴鹿での2連覇の可能性が大いに高まった。
ホンダのお膝元でチャンピオンシップを勝ち取るのはどれだけ嬉しいか?と問われたフェルスタッペンは「それが目標だ」と語る。
「特にシンガポールを終えてから、本当に力強い週末にしたいって思ってた。もちろん、今回がタイトルを制する最初のチャンスだって事は分かってる。それを成し遂げたい」
2023年F1日本GP予選ではマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が2年連続のポールポジションを獲得。2番手にオスカー・ピアストリ(マクラーレン)、3番手にそのチームメイトのランド・ノリスが続く結果となった。
決勝レースは日本時間9月24日(日)14時にフォーメーションラップが開始され、1周5,807mの鈴鹿サーキットを53周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。