2017年F1バーレーンテスト初日:順位と結果 – ホンダPU問題”再発”で危機的状況、走行僅か17周
18日に行われたF1公式バーレーン合同テストの初日が終了した。マクラーレン・ホンダは、セッション開始早々にコースインし2周のインスタレーションラップを完了も、エネルギー回生システム(ERS)に問題が発生。チームは急遽エンジン交換作業を実施。午後からの走行復帰を目指していたが、結局コース上に戻れたのはセッション終了50分前。僅か17周の走行に留まるという極めて厳しい1日となってしまった。
F1合同テスト初日の順位結果
Pos | Driver | Team | Time | Gap | Laps |
---|---|---|---|---|---|
1 | ハミルトン | メルセデス | 1:31:358 | – | 97 |
2 | ジョビナッツィ | フェラーリ | 1:31:984 | 0.626 | 93 |
3 | リカルド | レッドブル | 1:32:349 | 0.991 | 45 |
4 | グロージャン | ハース | 1:32:452 | 1.094 | 86 |
5 | マッサ | ウィリアムズ | 1:32:509 | 1.151 | 55 |
6 | ヒュルケンベルグ | ルノー | 1:33:624 | 2.266 | 73 |
7 | ストロール | ウィリアムズ | 1:33:729 | 2.371 | 35 |
8 | ゲレール | トロロッソ | 1:33:885 | 2.527 | 78 |
9 | ベッテル | フェラーリ | 1:33:894 | 2.536 | 89 |
10 | セリス | フォース・インディア | 1:33.939 | 2.581 | 71 |
11 | エリクソン | ザウバー | 1:34:550 | 3.192 | 106 |
12 | ターベイ | マクラーレン | 1:35.011 | 3.653 | 17 |
最速タイムを記録したのはメルセデスのルイス・ハミルトン。1分31秒358をマークし97周を走りきった。フェラーリのアントニオ・ジョビナッツィはハミルトンから0.626秒落ちの2番手タイムを記録。ザウバーのマーカス・エリクソンは個人最多となる106周を走破。3番手タイムのダニエル・リカルドはエンジントラブルにより45周の走行となった。
僅か11周のマクラーレン・ホンダ
マクラーレン・ホンダはこの日オリバー・ターベイが走行を担当も、2周ほどの走行を終えてそのままガレージイン。バーレーンGPの週末に引き続きパワーユニットのERSから水漏れが発生するというトラブルが発生。エンジン交換を余儀なくされ、8時間後にコース上にカムバック。16周を走りトップのハミルトンから遅れること5秒018の最下位に終わった。
今回のテストには改良型エンジンが投入される予定となっていたため、ERSのトラブルが発生したのはこの改良版エンジンだと思われる。ホンダF1の総責任者を務める長谷川祐介氏は、バーレーンテストについて「性能面と信頼性の改善を目的として幾つかの新しいパーツのテストを行う」と語っていたが、今日の結果を見る限りは信頼性の改善は達成されていないように見える。
Ollie fires-up and heads out. The floodlights are switched on as the sun begins to dip. #BahrainTest pic.twitter.com/DTAuoEoYeP
— McLaren (@McLarenF1) 2017年4月18日
マクラーレン・ホンダはバーレーンGPのレースウィーク中にMGU-Hトラブルが多発、決勝レースではダブルリタイヤを喫している。原因については調査中とされているが、長谷川氏は”熱”または”砂”による影響の可能性が高いとの認識を示していた。バーレーン・インターナショナル・サーキットは周り一面が砂漠で覆われたコースであり、コース上には絶えず砂が舞い落ちている。
2日しかない貴重なテストの半分を棒に振ってしまったマクラーレン・ホンダ。明日の挽回が期待されるも、バーレーンGPに引き続いての水漏れトラブルはかなりの痛手。同チームが危機的状況にある、と言うのは決して言い過ぎではないだろう。
写真で振り返るテスト初日
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トップタイムを記録したルイス・ハミルトン。電気系統の問題によりコース上でマシンを停める一幕もあったが、個人としてはザウバーのマーカス・エリクソンに次ぐ97周を走った。
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今季は、各チームが最低1日は2018年仕様のピレリタイヤのテストを行う事になっており、今回のテストではフェラーリがこれを担当。ジョビナッツィが通常のテストプログラムを、そしてセバスチャン・ベッテルがピレリタイヤのテストを担当。チームとして計182周を走破した。
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トロ・ロッソのテストを担当したショーン・ゲラエル。78周を走り8番手タイムを記録。F1初テストの大役を果たした。
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マクラーレン・ホンダのテストを担当したオリバー・ターベイ。明日はストフェル・バンドーンがステアリングを握る予定となっているため、ターベイは16周という走行でテストを終えることになった。
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予期せぬトラブルにより懸命の作業を行ったマクラーレン・ホンダのスタッフたち。彼らのモチベーションが心配される。
明日19日がバーレーンでのインシーズンテストの最終日となる。F1公式バーレーン合同テストの日程と走行ドライバーについては、バーレーンテスト:開催日程と走行ドライバー一覧を参照されたい。