F1マシンでの初走行を終えて、鈴鹿のグランドスタンドのファンに手を振る山本尚貴、2019年F1F1日本GPフリー走行にてcopyright Getty Images / Red Bull Content Pool

レッドブル代表、山本尚貴の走行を高く評価する一方で「来季トロロッソ・ホンダの候補ではない」と示唆

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山本尚貴は世界最速のマシンを初めて走らせたセッションで、キャリア通算88戦、決勝最高位2位を誇るダニール・クビアトから僅か0.098秒遅れのタイムを刻みパドックの驚きを誘ったが、レッドブル・レーシングのクリスチャン・ホーナー代表は、山本尚貴は現在、2020年のトロロッソのシートを争う立場にはないと仄めかした。

山本尚貴は、ホンダ系の現役ドライバーの中で最も成功を収めた人物の1人で、昨年のスーパーフォーミュラでチャンピオンを獲得。また、同年のSUPER GTでは2009年のF1ワールドチャンピオン、ジェンソン・バトンとタッグを組み、シリーズを制して一度に2冠を手に入れた。

「F1マシンでの初めてのセッションで、彼は本当に素晴らしい仕事をしてみせた」とクリスチャン・ホーナー代表。「著しく立派な走りだった。彼はここ鈴鹿で輝かしいキャリアを誇っており、GTでのレースではジェンソン(バトン)と組み成功を収めてきたドライバーだ」

山本尚貴は勝手知ったる鈴鹿サーキットでF1レースウィークデビューを果たし、10月11日(金)の1回目のフリー走行で17番手タイムを記録。新品ソフトタイヤでの全開アタックのチャンスこそなかったが、同じマシンに乗るクビアトの背後に迫ってみせた。だがホーナー代表は、山本尚貴が来季トロロッソ・ホンダでF1デビューを飾る可能性を暗に否定するかのような発言を残した。

「現時点では適用基準に適合していないが、彼が走行するに値する人物であることは疑いなく、今日試してみる価値はあったのは間違いない」とホーナー代表。

「私はトロロッソの今日の走行プランを正確に知っているわけではないが、2台のマシンが標準セッティングで走行するのはごく普通のことだ。つまり、彼はかなり良い線の仕事をやってのけたと言える」

レッドブル系チームの4つのシートの内、2020年の契約が確定しているのはマックス・フェルスタッペンのみ。とは言え、内部的にはダニール・クビアトのトロロッソ・ホンダ残留は確定事項であり、フェルスタッペンの来季僚友は、アレックス・アルボンかピエール・ガスリーのいずれかが務める事になる。脱落した方がトロロッソに収まると考えるのが自然ではあるが、公式には何も発表されていない。

囲み取材に応じるトロロッソ・ホンダの山本尚貴、2019年F1日本GPフリー走行にて

F1フル参戦のための道のりは不透明かもしれないが、幼少からの憧れの夢のひとつを叶えた山本尚貴は、僅かながらとは言えクビアトに遅れを取ったことを悔やみつつも、F1マシンが持つ暴力的とも言うべき圧倒的なパワーに目を輝かせた。

山本尚貴はスーパーフォーミュラ及びSuper GTとF1との最大の違いについて「とにかく、すごいパワーでした。本当にビックリです。こんなにパワーを感じたのは今回が初めてでした」と説明。クビアトとのパフォーマンス差については、次のように語った。

「ポジション的にはタイムシートの下の方でしたし、ダニールより良い結果を残したかったのですが、残念ながらそうはなりませんでした。私はレーシングドライバーですので、この点に関しては満足できるものではありませんが、最も重要なことは、クラッシュせずにマシンを持ち帰り、チームのために有益なデータを収集できたことです。役に立ってくれればと願っています。特に、ピエールにはクルマを借りたわけですし。本当に感謝しています」

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