悲劇的事故から1年…妻ダニエラ、アレックス・ザナルディの回復状況を明かす
かつてジョーダン、ミナルディ、ロータス、ウィリアムズから計41回のグランプリに出走した元F1ドライバーで2度のCARTチャンピオンに輝いたアレックス・ザナルディの悲劇的事故から1年が経ち、妻ダニエラさんが夫の回復状況の概要を明かした。
54歳のイタリア人アスリートは、昨年6月19日にハンドバイク競技中の事故によって頭部に重傷を負い、3度に渡る神経学的並びに頭蓋顔面再建術を受け、一旦はリハビリテーション施設に移送されたものの、容態悪化に伴い1ヶ月後に4度目の手術を受けた。
あれから1年が過ぎ、ダニエラさんは7月1日、夫がアンバサダーを務めるBMWモータースポーツを通じて、現在のザナルディが特別なクリニックに入院してリハビリプログラムを受けている事を明らかにした。
「事故から1年が経ち、アレックスの状態は基本的に安定しています。現在、特別なクリニックに入院し、リハビリテーションプログラムを受けています。医師、理学療法士、神経心理学者、言語療法士の指導のもと、マルチモーダルや薬理学的な刺激を与え、回復を図っています」
「彼の回復を願う多くのメッセージをいただきました。この場をお借りして、アレックスに代わって、ひとつひとつのメッセージに感謝の気持ちを伝えたいと思います。医師と相談した結果、このタイミングでアレックスの回復過程を少しでもお伝えするのが適切だと考えました。アレックスのことを想い、祈ってくださっているすべての方々に、彼がいつものように戦っていることをお伝えしたいと思います」
「この1年間、友人やファン、知人や同じアスリート、そしてモータースポーツ関係者の皆様からいただいた愛情は、感動的かつ圧倒的で、こうした事態に対処する上での大きな支えとなっています。特に医療関係者には感謝しています」
「(事故によって)多くの脳外科手術が必要となり、数々の苦悩と挫折を経験してきましたが、アレックスの状態は安定していて、脳と体の両方のトレーニングプログラムを受けることができています」
「コミュニケーションは可能ですが、まだ話すことはできません。長い間、昏睡状態にあったため声帯が十分ではないためです。回復のためには練習と治療が必要なのですが、腕力はありますので機器を使って集中的なトレーニングに取り組んでいます」
なお今後の回復の見通しについてダニエラさんは「大きな挑戦」であり「非常に長い旅」になることを認め、いつ帰国できるかは見通せないとする一方「私たちはアレックスの回復にすべてのエネルギーを注いでいます」と率直な思いを語った。