ザントフォールト・サーキットを周回するニコ・ヒュルケンベルグのハースVF-24、2024年8月24日F1オランダGP
Courtesy Of Haas

F1オランダGP:”軽減要因”考慮でハースを処分…ヒュルケンベルグの破損走行を巡り

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F1オランダGPのスチュワードは2024年8月23日(土)のFP3を経て、ニコ・ヒュルケンベルグが競技規則第26条10項に違反したとしてハースF1チームに戒告処分を科した。

小雨が降る中で開始を迎えた最終フリー走行でヒュルケンベルグは、10分が経過したところでロックアップを喫してターン11を直進。フロントからバリアに衝突した。

荷重分散を見直した新しいフロントウィングは損傷した。ヒュルケンベルグはその後、クルマにダメージを負った状態でコースを周回してピットへと戻った。これが問題視された。

同規定は「ドライバーが重大なメカニカルトラブルを抱えた場合、安全が確保でき次第、速やかにコースを離れなければならない」と定めている。

ジョニー・ハーバートを含む4名の競技審判団は、コックピット内からはクルマの損傷状態を判断することはできなかったと指摘し、ヒュルケンベルグに過失はなかったとの見方を示した。

一方でチームはその限りではなく、ドライバーに対してフロントウイングの一部が失われていることを無線で伝えたものの、クルマを停止せよとは指示しなかったと指摘した。

ヒュルケンベルグの27号車についてスチュワードは、「深刻」なダメージを負っていたと見なし、第26条10項違反であると認定した。

一方で、事故がラップ終盤に発生したことを考慮し、クルマを停止させるより、低速でピットに戻す方が安全とチームが判断したことに理解を示した。また、ドライバーはクルマを完全にコントロールし続け、他の車両を危険にさらすことはなく、また、デブリの脱落によるコースへの影響もなかったとも指摘した。

これらの「軽減要因」を考慮してスチュワードは、より厳格なペナルティではなく、チームに戒告を科すに留める決定を下した。

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