遠い眼差しのハース、ロマン・グロージャン
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どうなるグロージャン、ヒュルケンベルグ獲得に興味を示すハースF1

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ロマン・グロージャンの来季去就に注目が集まる中、ハースF1チームのギュンター・シュタイナー代表が、ルノーのニコ・ヒュルケンベルグ獲得に興味を示している。ハースは現在、2020年に向けてラインナップの変更を評価しており、グロージャンは今季限りでシートを失う可能性がある。

ハース勢は前戦ドイツGPの56周目にヘアピンで接触。幸いにもインパクトは軽く、マシンにダメージを負うなど同士討ちは免れたが、グロージャンとチームメイトのケビン・マグヌッセンがレース中に接触したのは一度や二度ではない。

第5戦スペインでは、今季初のダブル入賞を果たした一方で、チームメイト同士で接触しポジションを失った。懲りない二人は、第10戦F1イギリスGPのオープニングラップでも同士討ちを喫し、この時は2台揃ってのリタイヤと終わった。マネジメントし切れていない上層部に責任がある事は明白だが、ドライバー達の姿勢に問題があるのも確かだ。

マグヌッセンは2020年の契約を有しているが、グロージャンは今季末まで。グロージャン本人は「昨年より状況はマシ」と語り、残留に自信を示しているものの、ラインナップが上手く機能していないのは明らかで、チームはあらゆる選択肢を評価している。

ハースのドライバー達は今季11戦を終えて、マグヌッセンが18ポイントを得て13位につけている一方、グロージャンは8ポイントの17位に甘んじている。ハースは昨季コンストラクターで5位の大金星を上げているが、現時点では8位と厳しい状況にある。

シーズン序盤は、レーシングポイントのセルジオ・ペレスが来季ハースの候補に上がっていたが、夏休みを前にペレスは「状況は安定している。最優先事項は今のチームにとどまる事だ」とコメント。交渉はまだ終わっていないものの、ランス・ストロールの父ローレンスによる多額の投資によって、競争力強化を目指す旧フォース・インディアとの契約延長が目前に迫っている事を仄めかしている。

来季F1復帰を目論むエステバン・オコンの名も取り沙汰されているが、シュタイナー代表は、オコンは非常に素晴らしいドライバーであるとしながらも、「我々はトレーニングのための会社ではない」と語り、メルセデスからのレンタルという形でオコンと契約しなければならないのであれば、興味はないとしている。

無冠の帝王ニコ・ヒュルケンベルグも、チームとのレギュラードライバー契約が今季末で満了を迎える。フランスを本拠とするルノーは、同国出身のオコン起用を検討していると噂されており、ヒュルケンベルグにはシート喪失の可能性がある。シュタイナーはヒュルケンベルグ獲得について質問されると「興味深いオプションだ」と語り、興味を示した。

「候補者の中の何名かについては、金銭的に余裕がないものの、我々はあらゆる選択肢を評価し、ベストな決断をしたいと考えている」

シュタイナー代表はハンガリーGP後に訪れるサマーブレイクを利用して、あらゆる候補者への評価を進め、チームオーナーのジーン・ハースに相談した上で、来季ラインナップを決定する計画である事を明かにした。