スプリントレースのスタートを前に角田裕毅の22号車VCARB 01のタイヤウォーマーを外すRBのメカニック、2024年4月20日(土) F1中国GP(上海インターナショナル・サーキット)
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F1チーム反対でポイント変更案却下、2025年最低重量は800kgに増加へ

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今年3回目となるF1委員会会合がベルギーGPを週末に控えた2024年7月23日(火)に英ロンドンで行われ、ポイント付与対象を現行の上位10台より拡大する変更案が、F1チームを含めた全会一致で却下された。

現行のF1ポイントシステムは10位までにチャンピオンシップ・ポイントが与えられる仕組みだが、今年に入ってこれを上位12台、あるいは全車にまで拡大する案が検討されてきた。

ジュネーブで行われた4月の会合では合意に至らず、7月の会合で再度、議題に上げられる事が決まったが、F1のステファノ・ドメニカリ会長兼CEOとFIAシングルシーター部門を率いるニコラス・トンバジスが議長を務めた23日の会合で、現行のポイントシステムを継続することが「全会一致で合意」された。

さらに、「ドライバーの安全と健康」を考慮して、ドライバーのみなし最低重量を80kgから82kgに引き上げた。これにより車体最低重量(燃料除く)は2025年に798kgから800kgに増加することになる。

最低重量の引き上げは軽量化を目指すFIAの方針に反する。統括団体は2026年に最低重量を768kgに引き下げる計画だが、この数値について一部のチームは非現実的だと警告している。

会合ではまた、次世代パワーユニットと100%持続可能な燃料、並びに刷新されたシャシーが導入される2026年に向けたプレシーズンテストを、3日間×3回の計9日間とする案が合意された。場所と日程は未定。

さらに、産休・育児休暇、病気休暇、チームの娯楽に関連する費用を引き続き、予算上限の対象から除外することが合意された。

これらの変更には形式的ながらも、FIA世界モータースポーツ評議会(WMSC)の承認が必要となる。

未だ正式決定がなされていない2026年のレギュレーションについて、会合を経てFIAは、「全体的な戦略目標が再確認され、その最優先目標は、ファンを引きつけ、興奮させる速くて接戦のレースを実現することとされた」と説明した。

「2026年規則の技術、競技、財務、環境に関するタイムラインについての最新情報が提供され、全チームとの継続的な協力が目標に向かって順調に進んでいることが確認された」

「技術およびスポーツ諮問委員会での今後のさらなる議論を経て、競技および技術に関する2026年規則の更新が10月17日のWMSCで発表される。10月2日には、2026年の事項について話し合うための臨時F1委員会が開催される予定だ」

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