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【F1】長身ドライバーの不公平緩和へ、2019年より重量制限に関するレギュレーションを変更

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FIA国際自動車連盟は、F1レギュレーションで定められているマシン最低重量からドライバー体重を除外する方針を決定した。現行規約は、ドライバー体重を含めたマシン重量を734kgと定めており、これを下回ってはならないとされる。

18日(木)にロンドンのFOM事務所で開催されたF1ストラテジー・グループの会合で議論された。全会一致の同意は得られなかったため、2019年シーズンより適用される見通し。反対を表明したのは一部チームと思われるが、現時点では明らかになっていない。

提示された案では、規約上の”最低重量”を「マシン」と「ドライバー + ドライバーシート」の2つに分け、ドライバー最低重量は80kg、マシン最低重量は660kgとする考え方が盛り込まれた。この重量に満たない場合、バラスト(重り)の設置によって人為的に重量を増やすことが義務付けられる。

例えば、体重が74kgのニコ・ヒュルケンベルグは6kgのバラストを、68kgのケビン・マグヌッセンは12kgのバラスト追加が義務付けられる事になる。マシンに関しても同様だ。体重80kg以上のドライバーにとっては依然として不利な案だが、今シーズンのグリッドに並ぶドライバーを見る限り、これを越える者はいない。

今シーズンからF1にはコックピット保護デバイス”ハロ”が導入される。これに対応するため、レギュレーションに定める最低重量(ドライバー体重含)は6kg引き上げられたが、ハロ本体及び設置パーツや補強材等、導入に際しては計15kg程度の重量増加が見込まれており、体重が重い長身ドライバーにとって更に不利な状況が生まれるとの懸念が広がっていた。

時に1000分の1秒差を競うF1の世界においては、マシン重量がラップタイムに与える影響は甚大であり、1kgの重量差は0.03〜0.04秒/周とも言われる。例えば、レッドブル時代のセバスチャン・ベッテル(175cm)の体重は62kg、当時のチームメイトであるマーク・ウェバー(184cm)は74kgであったが、両者の体重差12kgは0.36秒から0.48秒ものタイム差に相当するため、ウェバー不利説が囁かれたりした。

マシン最低重量制限にドライバー体重を含めるという伝統は1995年に始まり、以降F1ではその慣習が続いている。公正な競争という観点のみならず、長身ドライバーが健康を害するほどの減量を迫られる可能性があるため、度々問題が指摘されていた。

次回のテクニカル・ワーキング・グループ会議では本案の詳細が提案された上で、最終承認される見込みとなっている。