新規参戦チームの噂に、F1が異例の声明で反応「本格的な交渉の事実はない」
レギュレーションが大幅に改定される2021年シーズンを機に、複数チームの新規参戦が噂される中、F1は10月3日に「本格的な交渉は行われていない」との異例の声明を発表。少なくとも、2021年に新たなチームがグリッドに付く可能性を暗に否定した。
現在、F1参入に対して公に興味を示しているのは、カンポス・レーシング(Campos Racing)とパンテーラF1チーム(Panthera Team Asia F1)の2チームで、両者ともに2021年からの参戦を目指している。
SMPレーシングの元役員、ベンジャミン・デュラン率いるパンテーラに関しては、資本と運営会社という”ハコ”と”カネ”のみが決まっているといった状況で、現時点ではまだ参戦を評価している最中のようだが、2010年にF1参入直前までこぎ着けた経緯を持つカンポスに関しては、レーシングチームとしての体制が固まりつつある。
カンポスは既に、元F1ドライバーのパスカル・ウェーレインと、日本のスーパーフォーミュラで活躍中のアレックス・パロウをドライバー候補として挙げているだけでなく、かつてスーパーアグリのチーフデザイナーを務めていたピーター・マックールが、テクニカル・ディレクターとしての職務を開始。更に、著名エアロダイナミストとして知られるベン・ウッドが技術チーム入りする見込みとなっている。
これに加えてカンポス側は、既存チームやパワーユニットサプライヤーと交渉中との事で、参戦間近のステージにあるとアナウンスしていたものの、F1側は次の内容のプレスリリースを発行し、噂の沈静化に努めた。
「2021年のF1参戦に意欲と関心を示している幾つかの組織がある事は把握しており、またその事を有り難く思っているが、現時点では新規参入について、なんらかの個人ないしは企業と本格的な交渉は行われていない」
F1に新規参入を果たした最後のチームは2016年より参戦するハースだが、この10年の間にHRTやケータハム、マノーといった幾つものチームが、財政難を理由にグリッドから姿を消してきた。F1はコスト上限案を含む2021年以降の新しい規制を10月末に承認するとしている。