ピアストリ、初ポールの裏に葛藤「実は途中で止めたい気持ちに駆られた」迷いの先にあったターン14への賭け

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キャリア初のポールポジションを獲得した2025年F1第2戦中国GPの予選Q3最終ラップについて、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)は、ラップの途中で止めたい衝動に駆られていたと明かした。

ピアストリは上海インターナショナル・サーキットのコースレコードを塗り替える1分30秒703を記録し、F1史上107人目のポールシッターとして歴史に名を刻んだ。

しかし、このラップの裏には傍からは分からない葛藤があった。ピアストリは予選終了後、「実は途中で、ピットに戻りたい衝動に駆られていた」と明かした。

迷いの先にあった「ターン14」への賭け

ピアストリはQ3の1回目のアタックで、ターン14のヘアピンで「少し」タイムを失いながらも暫定ポールに立ったが、最終2回目のラップでは第1セクターで0.01秒、第2セクターでも0.06秒遅れてしまい、やる気を失いかけていたという。

「ベストラップよりコンマ2秒ほど遅れていたから、それなら、あのヘアピンに全開で突っ込んでみるか、って思ってね。結局それでコンマ2秒を取り戻して、最終コーナーでも少し稼げくことができたんだ」と振り返り、「今となってはピットに戻らなくて本当によかったと思ってる」と付け加えた。

スプリントの反省を活かし、予選で真価を発揮

今回のポール獲得の背景には、3番手に留まった前日のスプリント予選での反省があったという。

「昨日もクルマ自体は速かったけど、選んだランプラン(走行計画)があまり良くなかったと思う。今日はセッションの時間が少し長いから、しっかり2回のアタックができるって分かってたし、その辺りに違いがあった」とピアストリは語った。

「クルマのパフォーマンス自体は昨日と大きく変わっていないけど、適切なやり方で戦い抜くことができたんだ。全体としていい一日だったよ」と手応えを口にした。

スプリントよりも価値ある初ポール

ピアストリはこれまでに、スプリント予選ではポールポジションを獲得した経験があったが、グランプリ予選でのポールはそれとは重みが違うという。

「これまで何度か惜しいところまでいったけど、ようやく初のポールが取れて嬉しい。スプリントではポールを取ったことがあるけど、やっぱりこれは重みが違うね」と素直に喜んだ。

「正直、めちゃくちゃ嬉しいよ。このために頑張ってきたわけだしね。メルボルンでの結果は残念だったけど、全体としてはいい仕事ができていると思っているし、今日こうして結果を残せて素直に嬉しい」


2025年F1中国GP予選ではオスカー・ピアストリ(マクラーレン)がキャリア初のポールポジションを獲得。ジョージ・ラッセル(メルセデス)が2番手、ランド・ノリス(マクラーレン)が3番手に続く結果となった。

決勝レースは日本時間3月23日(日)16時にフォーメーションラップが開始され、1周5,451mの上海インターナショナル・サーキットを56周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNフジテレビNEXTで生配信・生中継される。

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