グラベルに飛び出るメルセデスAMGペトロナスF1チームのバルテリ・ボッタスと、後方からチャンスを伺うレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン、2020年F1エミリア・ロマーニャGP決勝レースにてcopyright Red Bull Content Pool

メルセデス、V6ターボ時代無敗の7連覇!混乱のイモラでホンダ勢は衝撃DNF / F1エミリア・ロマーニャGP《決勝》結果とダイジェスト

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2020シーズンFIA-F1世界選手権 第13戦エミリア・ロマーニャGP決勝レースが11月1日に伊イモラ・サーキットで行われ、予選2番グリッドのルイス・ハミルトンが逆転優勝を飾り、通算勝利数を93回に伸ばした。

2位にはポールシッターのバルテリ・ボッタスが入り、メルセデスAMGペトロナスF1チームが今季4レースを残した段階で、レッドブル・ホンダを抑えてコンストラクターズ選手権7連覇の偉業を達成。V6ハイブリッド・ターボエンジンが導入された2014年以降の無敗記録を更新した。

ハミルトンはこの偉大な記録について「本当に信じがたいよ。7度のチャンピオンだなんてね。いつの日か、この物語を孫に伝えたい」と語った。優勝とファステストラップ(1:15.484)によってハミルトンは満額の26点を手にして、ランキング2位のボッタスとの差を85ポイントに広げた。次戦トルコでは、ミハエル・シューマッハと並ぶドライバーズチャンピオン7冠の記録に挑むことになる。

3位表彰台にはルノーのダニエル・リカルドが滑り込んだ。前回ポディウムに上がったニュルブルクリンクでは、うっかりシューイを忘れてしまい実にナイスな表情を見せたが、この日はしっかりと覚えていたようで、イモラのポディウムセレモニーには”あのおぞましい光景”が広がり、優勝を飾ったハミルトンも餌食となった。

2列目独占という好ポジションからスタートしたレッドブルとスクーデリア・アルファタウリのホンダF1パワーユニット勢は、期待の2台が共にトラブルによって姿を消す衝撃の結果となった。

1周目にハミルトンを交わして2番手に浮上したフェルスタッペンは、危なげないレースを戦い終盤までポジションを守っていたものの、51周目のターン5で不可解なクラッシュを喫し、セーフティーカー(SC)の原因となった。フェルスタッペンは「クルマの何かが壊れた」と無線で報告。完全に破壊された右リアタイヤに蹴りを入れて憤りをあらわにしていたが、後にタイヤのバーストがクラッシュの原因であった事が明らかにされた。

同じく2列目からスタートしたピエール・ガスリーは上位を狙ってレースに臨んだものの、アルファタウリのピットウォールは9周目に「手の施しようがない問題が発生した」として、ガスリーに対してピットへと戻りリタイアするよう指示を出した。原因についてチームはラジエーターの故障による水圧低下だと説明した。

予期せぬアクシデントによって2台が消えた一方、キャリアの大半をイタリアで過ごしてきたダニール・クビアトは、混乱をくぐり抜けながら果敢に攻め続けて見事4位入賞を飾った。他方アレックス・アルボンは最終盤のSCからのリスタート時に、上位フィニッシュのチャンスを前に単独スピンを喫し、事実上の最下位となる15位でクルマを降りた。

アイルトン・セナに捧げるピエール・ガスリーのスペシャルヘルメット、2020年F1エミリア・ロマーニャGP

伝説的ドライバー、アイルトン・セナが亡くなった悪夢の週末から26年が経ち、イモラ・サーキットが2006年以来、14年ぶりにF1カレンダーに復帰した。トリビュートとして、予選4番手のガスリーは往年のセナが着用していたモデルを模したヘルメットを持ち込み、セナと合わせて同じくレース中の事故で亡くなったアントワーヌ・ユベールとジュール・ビアンキのロゴを配した。

決勝は日本時間1日(日)21時10分にブラックアウトを迎え、ヘルマン・ティルケによる改修によって2006年当時よりもやや短くなった全長4,909mのコースを63周する事で争われた。現地イモラは曇り空に覆われたが、チャンピオンシップポイントを争う決勝のフォーメーションラップは気温17.6℃、路面23.9℃、湿度72.2%のドライコンディションで開始された。

注目のオープニングラップでは、フェルスタッペンがハミルトンを交わして2番手に浮上。同じく2列目スタートのガスリーは、ハミルトンとの接触を避けるべくバックオフを強いられ、ルノーに先行を許す5番手に後退した。セクター1ではケビン・マグヌッセンとセバスチャン・ベッテルが接触し、ハースVF-20がスピンを喫した。

11番手以降で唯一ソフトタイヤを履いていたアントニオ・ジョビナッツィは混乱を上手く掻い潜って6ポジションアップの14番手に浮上した。ランス・ストロールはエステバン・オコンとの接触によってマシンにダメージを負い、1周目を終えてピットへと入ってフロントノーズを交換。最後尾に転落した。

ソフトタイヤ勢は11周目を越えたあたりからピットストップに動き出し、5番手を走行していたシャルル・ルクレールは14周目にハードタイヤに交換。アルボンとクビアトはその翌周に同じくピットへと動き、ハードタイヤに履き替えてルクレールの後方でコースに復帰した。

2番手を走行していたフェルスタッペンは18周目にハードタイヤに交換。ラップリーダーのボッタスはこれに合わせ込み、翌周にハードに履き替えてフェルスタッペンの前方でコースに戻った。

1ストップ狙いが確定した事でボッタスの優勝の可能性が一気に高まったかに思われたが、作業を終えたチームはボッタスに対して、フロア左側に損傷があると伝えた。ベッテルのものと思しきコース上のデブリを拾ったためにダメージを負ったようで、2周目からダウンフォースが低下していたようだ。

29周目、16番手を走行していたオコンがクラッチに問題があるとしてクルマを停め、レースコントロールはその翌周にバーチャルセーフティカーを導入した。導入時間が僅かであったため、アドバンテージを得たのは第1スティントを引っ張っていたハミルトンただ一人。ハードタイヤに履き替えてボッタスの前方4秒の位置、隊列トップでコースに戻り、通算93勝目をほぼ手中に収めた。

第1スティントを引っ張って4番手を走行し、カルロス・サインツを抑え込んでの入賞圏内が見えていたベッテルであったが、40周目のピットインの際にタイヤ交換作業で13.1秒もの大幅なロスがあり14番手に後退。チームメイトのルクレールが5位入賞と健闘した一方、最終的13位でフィニッシュした。

ダウンフォースを失い徐々にリアエンドの抑えが効かなくなっていたボッタスが42周目に最終コーナーでグラベルに飛び出ると、チャンスを伺っていたフェルスタッペンはこれを逃さず、直後のホームストレートでDRSを使ってオーバーテイク。見事2位に追い上げたが、最終盤の不可解なクラッシュによりリタイヤを強いられる結果となった。

このインシデントに対して、レースコントロースはSCを導入。このタイミングでハミルトン、ボッタス、ペレス、クビアト、サインツ、ノリス、ベッテル、ストロールがピットイン。ストロールはピットストップの際にオーバースピードでメカニックに追突するアクシデントを引き起こした。上位勢としては3番手から5番手のリカルド、ルクレール、アルボンがステイアウトを選択した。

セーフティーカーラン中の53周目には、入賞圏内の10番手を走行していたウィリアムズのジョージ・ラッセルが自身のミスによって単独クラッシュを喫し、無念のリタイヤとなった。シフトショックが大きく頭が痛いと訴え、49周目にリタイヤを選択したケビン・マグヌッセンに続く5台目のリタイヤだった。

レースは58周目に、ハミルトン、ボッタス、リカルド、ルクレール、アルボン、ペレス、クビアト、サインツ、ノリスの順でリスタートを迎えた。クビアトは2台を追い抜き5番手に浮上。その直後にアルボンは単独スピンを喫して15番手最下位にまで転落した。

その後方を走行していたサインツは間一髪のところで接触を免れ、8位に僚友ノリスを従える7位フィニッシュを果たして、マクラーレンにダブルポイントをもたらした。

クビアトはタイヤのアドバンテージを武器に、ルクレールをオーバーテイクして4番手にポジションを上げると、3位表彰台を狙ってリカルドに襲いかかったものの一歩及ばず、ハミルトン、ボッタス、リカルドの3名が表彰台フィニッシュを成し遂げた。

ポイント圏内の最後の枠を手にしたのは、両名の契約更新を発表したばかりのアルファロメオ・レーシングだった。キミ・ライコネンは第1スティントをなんと49周目まで引っ張り、ソフトに履き替えてベッテルの前方12番手でコースに復帰すると、その後ポジションを上げていき、僚友ジョビナッツィを10位に従える9位フィニッシュを果たした。

順位とタイム

Pos No Driver Team Laps Time PTS
1 44 ルイス・ハミルトン メルセデス 63 1:28:32.430 26
2 77 バルテリ・ボッタス メルセデス 63 +5.783s 18
3 3 ダニエル・リカルド ルノー 63 +14.320s 15
4 26 ダニール・クビアト アルファタウリ・ホンダ 63 +15.141s 12
5 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 63 +19.111s 10
6 11 セルジオ・ペレス レーシングポイント 63 +19.652s 8
7 55 カルロス・サインツ マクラーレン・ルノー 63 +20.230s 6
8 4 ランド・ノリス マクラーレン・ルノー 63 +21.131s 4
9 7 キミ・ライコネン アルファロメオ 63 +22.224s 2
10 99 アントニオ・ジョビナッツィ アルファロメオ 63 +26.398s 1
11 6 ニコラス・ラティフィ ウィリアムズ・メルセデス 63 +27.135s 0
12 5 セバスチャン・ベッテル フェラーリ 63 +28.453s 0
13 18 ランス・ストロール レーシングポイント 63 +29.163s 0
14 8 ロマン・グロージャン ハース・フェラーリ 63 +32.935s 0
15 23 アレックス・アルボン レッドブル・ホンダ 63 +57.284s 0
NC 63 ジョージ・ラッセル ウィリアムズ・メルセデス 51 DNF 0
NC 33 マックス・フェルスタッペン レッドブル・ホンダ 50 DNF 0
NC 20 ケビン・マグヌッセン ハース・フェラーリ 47 DNF 0
NC 31 エステバン・オコン ルノー 27 DNF 0
NC 10 ピエール・ガスリー アルファタウリ・ホンダ 8 DNF 0

コンディション

天気
曇り
気温
17.6℃
路面温度
23.9℃
周回数
63

レース概要

グランプリ名
F1エミリア・ロマーニャGP
レース種別
決勝
レース開始日時

サーキット

名称
イモラ・サーキット
設立
1953年
全長
4909m
コーナー数
21
周回方向
反時計回り

F1エミリア・ロマーニャGP特集