イモラ・サーキットを走行するレッドブル・ホンダRB16、2020年F1エミリア・ロマーニャGP
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史上初の2Day制…ホンダ勢、唯一のフリー走行で全4台がトップ10入り / F1エミリア・ロマーニャGP《FP1》結果とダイジェスト

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2020年F1世界選手権第13戦エミリア・ロマーニャGPが10月31日(土)に開幕を迎え、日本時間18時からフリー走行が行われた。2006年以来、14年ぶりのF1カレンダー復活を遂げたイモラ・サーキットでの週末は、史上初の2Day制として開催される。

90分間に渡って行われた今週末唯一のプラクティスセッションでは、メルセデスAMGのルイス・ハミルトンが1分14秒726のトップタイムを記録。当時とは若干レイアウトが異なるものの、14年前に記録されたコースレコードを7.853秒上回る速さを見せつけた。メルセデスは今週末、レッドブル・ホンダを抑えてコンストラクターズ選手権での7連覇を決める可能性がある。

週末ごとにポールタイムに接近し続けているレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンは、ハミルトンに0.297秒届かなかったものの2番手タイムを刻み、メルセデスのバルテリ・ボッタスを0.195秒差で3番手に退けた。セッションを終えたフェルスタッペンは「特に大きな問題はなかった。メルセデスを打ち負かすのは難しいと思うけど、僕らはそんなに離されちゃいない」と不敵に語った。

ホンダエンジン勢は全4台がTOP10入りの好発進を切った。シート喪失の危機に晒されているアレックス・アルボンは僚友に1.038秒もの大差を付けられ9番手と沈んだが、フィルミングデイを利用したテスト走行が功を奏したか、アルファタウリ・ホンダ勢は持ち込みセットアップがキマっているようで、ピエール・ガスリーが4番手、ダニール・クビアトが7番手タイムを刻んだ。

アルファタウリと同じくイタリアを本拠とするスクーデリア・フェラーリはチェッカーの土壇場、ソフトタイヤを履いたSF1000について「なんてこった!酷いアンダーステアが出てる」と不満を訴え続けていたシャルル・ルクレールが自己ベストを大きく更新して5番手に飛び出たが、苦戦続くセバスチャン・ベッテルは12番手と大きく水を開けられた。

土曜午前の現地イモラは好天に恵まれ、セッションは気温16℃、路面温度18.4℃、湿度73℃のドライコンディションでスタートした。イモラは”実質的に初開催のコース”であり、グリップレベルやブレーキングポイントなどコースへの理解を深めるべく、多くのマシンがまずは硬めのコンパウンドを履いてコースへと向かった。

イモラでのF1開催は2006年のサンマリノGPまで遡る。現在とは車体もエンジンもタイヤも異なる14年前のイベントでは、ミハエル・シューマッハ(フェラーリ)がコースレコードとなる1分22秒579を記録してポールポジションを獲得し、62周のレースでポール・トゥ・ウインを果たしたが、この時は本大会よりも24m長い全長4.933kmのレイアウトで行われた。

グラベルに飛び出したり、トラックリミットを越えてコース外を走るマシンが何台かあったものの、各車慎重に走行していたようで、クラッシュやスピンといった類のアクシデントはなく、赤旗が振られる事もなかった。何しろ今回は週末を通してのプラクティスがFP1のみの90分しかない。

公式タイヤサプライヤーのピレリは今回、中間レンジのC2からC4までの3種類のコンパウンドを持ち込み、各車にハード2セット、ミディアム2セット、ソフト6セットの計10セットを供給しているが、これは2Day制を考慮したもので、通常よりも3セット少ない。各車はFP1後に3セットを返却する。

ルノー勢は前戦でミッドフィールドの混戦に喰われるタフな戦いを強いられたが、ここイモラにおいて再び競争力を取り戻したようだ。来季復帰に向けての現場見学のためにガレージ入りするフェルナンド・アロンソを前に、ダニエル・リカルドは6番手、エステバン・オコンは8番手に付け、レーシングポイント勢を引き離した。

多くのマシンが40周以上を走り込む中、ウィリアムズのニコラス・ラティフィはブレーキ・バイ・ワイヤーに問題を抱えて何度かガレージに閉じこもるシーンがあり、走行29周の20番手最下位に終わった。

2Dayイベントとして開催される本大会ではプラクティスがフリー走行1のみで、この後のセッションは日本時間10月31日(金)22時から計3ラウンドに渡って行われる公式予選となる。

2020年F1第13戦エミリア・ロマーニャGPフリー走行1(FP1)リザルト

Pos No Driver Team Time Gap Laps
1 44 ルイス・ハミルトン メルセデス 1:14.726 45
2 33 マックス・フェルスタッペン レッドブル・ホンダ 1:15.023 +0.297 38
3 77 バルテリ・ボッタス メルセデス 1:15.218 +0.492 46
4 10 ピエール・ガスリー アルファタウリ・ホンダ 1:15.633 +0.907 45
5 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 1:15.688 +0.962 39
6 3 ダニエル・リカルド ルノー 1:15.839 +1.113 31
7 31 エステバン・オコン ルノー 1:15.945 +1.219 43
8 26 ダニール・クビアト アルファタウリ・ホンダ 1:15.966 +1.240 46
9 23 アレックス・アルボン レッドブル・ホンダ 1:16.061 +1.335 40
10 18 ランス・ストロール レーシングポイント 1:16.082 +1.356 41
11 11 セルジオ・ペレス レーシングポイント 1:16.109 +1.383 41
12 5 セバスチャン・ベッテル フェラーリ 1:16.167 +1.441 39
13 8 ロマン・グロージャン ハース・フェラーリ 1:16.550 +1.824 41
14 55 カルロス・サインツ マクラーレン・ルノー 1:16.560 +1.834 41
15 99 アントニオ・ジョビナッツィ アルファロメオ 1:16.564 +1.838 32
16 4 ランド・ノリス マクラーレン・ルノー 1:16.671 +1.945 44
17 7 キミ・ライコネン アルファロメオ 1:16.684 +1.958 42
18 63 ジョージ・ラッセル ウィリアムズ・メルセデス 1:16.780 +2.054 42
19 20 ケビン・マグヌッセン ハース・フェラーリ 1:17.060 +2.334 44
20 6 ニコラス・ラティフィ ウィリアムズ・メルセデス 1:17.779 +3.053 28

コンディション

天気晴れ
気温16℃
路面温度18.4℃

セッション概要

グランプリ名 F1エミリア・ロマーニャGP
セッション種別 フリー走行1
セッション開始日時

サーキット

名称 イモラ・サーキット
設立 1953年
全長 4909m
コーナー数 21
周回方向 反時計回り

F1エミリア・ロマーニャGP特集