立て続けのSC…フェルスタッペン、上海初勝利!角田裕毅含むRB勢はWリタイヤ / F1中国GP 2024 《決勝》結果と詳報
2024年FIA-F1世界選手権第5戦中国GPの決勝レースが4月21日(日)に行われ、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が上海インターナショナル・サーキットでキャリア初優勝を飾った。角田裕毅(RB)はケビン・マグヌッセン(ハース)に衝突されリタイヤに終わった。
ポールポジションからスタートしたフェルスタッペンはライバルに対し、危うげな場面を一度も与えず、ランド・ノリス(マクラーレン)に14秒差をつけ、F1優勝開催地数を26に伸ばした。
セルジオ・ペレス(レッドブル)は2番手を快走していたものの、セーフティーカー(SC)の導入により2つポジションを失った事が響き、通算15回目の表彰台に上がったノリスから5秒遅れの3位フィニッシュに甘んじた。
フェラーリ勢にはマクラーレンを交わすペースがなく、シャルル・ルクレールが4位、カルロス・サインツが5位に留まった。
フェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)は序盤、ペレスを交わして2位に浮上し上位を争いを繰り広げていたが、ミディアムスティントにソフトを履く変則的な戦略を採用。最終スティントにオーバーテイクショーを繰り広げたが、ジョージ・ラッセル(メルセデス)には5秒届かず7位でフィニッシュした。
最後方18番手からスタートしたルイス・ハミルトン(メルセデス)はペース不足に不満をあらわにしながらも、最終的にはオスカー・ピアストリ(マクラーレン)に1.8秒差と迫る9位でクルマを降りた。
2度のSCが導入される荒れたレースをクリーンに過ごしたニコ・ヒュルケンベルグは10位フィニッシュによって貴重な1ポイントをハースに持ち帰った。
RB勢はSCからのリスタートの際に他車に追突され、悪夢のダブルリタイヤに終わった。角田裕毅はマグヌッセンに右リアを引っ掛けられ、ポイントフィニッシュを視野に入れていたダニエル・リカルドはランス・ストロール(アストンマーチン)に突っ込まれた。
Rewind to the restart ⏪
Stroll 💥 Ricciardo
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— Formula 1 (@F1) April 21, 2024
レース概要
決勝は日本時間21日(日)16時にブラックアウトを迎え、1周5,451mのコースを56周する事で争われた。薄暗い雲が上空全面を覆う中、チャンピオンシップポイントを争うレースのフォーメーションラップは気温19℃、路面31℃のドライコンディションで開始された。
公式タイヤサプライヤーのピレリは2番目に硬いレンジのC2からC4までのコンパウンドを投入。ピットストップ回数、各コンパウンドの使い方を含め、実に幅広い戦略が見られた。
角田裕毅を含む最後方3台とランス・ストロール(アストンマーチン)はソフトを、ケビン・マグヌッセン(ハース)はハードを、そして他はミディアムをスタートタイヤに選んだ。
オープニングラップでは、角田裕毅がハミルトン、マグヌッセン、周冠宇を抜き去り一気に16番手に。リカルドはポジションを一つ落として15番手に後退した。
ペレスはアロンソにパスされ一旦、3番手に後退したが、5周目にポジションを取り戻した。この日のアストンには表彰台を争うほどの競争力はなく、アロンソはその後、7周目にノリスにも追い抜きを許して4番手に後退した。
ピットレーンに最初の動きが起きたのは8周目だった。ヒュルケンベルグ、角田裕毅、周冠宇の3台が先行してタイヤ交換に動くと、ミッドフィールダー達は翌周、一斉に反応した。
角田裕毅はミディアムを装着。ピエール・ガスリー(アルピーヌ)は19秒もの停止時間を要して大きくタイムをロスした。
上位勢としてはアロンソとラッセルが11周目にタイヤ交換に動くと、その2周後に1-2体制のレッドブル勢がダブルスタックでハードタイヤに交換。1ストップ狙いのノリスがラップリーダーに浮上した。
リカルドは14周目にミディアムに履き替え角田裕毅の後方18番手でコースに復帰すると、5周後にはチームメイトを交わして14番手にポジションを上げた。
規定周回数の3分の1を消化した21周目、ポイント獲得を見据えるバルテリ・ボッタス(ザウバー)がエンジントラブルを訴えターン13にクルマを止めた。長い黄旗の後にバーチャル・セーフティーカー(VSC)がコールされた。
LAP 20/56
We have a yellow flag
Bottas reports his "engine has gone" and is out of the race ❌#F1 #ChineseGP pic.twitter.com/hf5l0w0VPk
— Formula 1 (@F1) April 21, 2024
スティントを引っ張ったノリスとルクレールは大きなアドバンテージを得てハードタイヤに交換。リスタートに備えたが、ギアがスタックして人力でクルマを回収できなかったため、 24周目にSCへと切り替えられ、ラップリーダーのフェルスタッペンを含むほぼ全車がピットストップに動いた。
ノンストップでチェッカーを受けるべく殆どがハードタイヤを選択したが、アロンソだけはソフトタイヤを装着。リカルドはステイアウトして9番手、角田裕毅は15番手から27周目のリスタートに臨んだが、各々、再開直後にライバルから追突され、まずは角田裕毅がコース上でクルマを降りた。
22号車の回収を経てレースが32周目にリスタートを迎えると、リアに大きなダメージを負ったリカルドは次々にポジションを失っていき、33周目にクルマをガレージに入れた。
ランス・ストロール(アストンマーチン)はヘアピンでリカルドに突っ込んだとして、マグヌッセンは角田裕毅をスピンさせたとして、各々10秒ペナルティを受けた。
ローガン・サージェント(ウィリアムズ)はSC中に他車を追い抜いたとして、こちらも10秒ペナルティが科せられた。
ピットストップにより4番手に後退したペレスは39周目、ターン6でイン側に飛び込みルクレールを交わして表彰台圏内に復帰したが、前方のノリスは遠く、追撃はここまでだった。
5番手を走行していたアロンソは43周目にソフトからミディアムに交換。ポイント圏外12番手に後退した。ただ、ファステストラップを刻みながら3周後にはオコンを交わして圏内に復帰。その後もライバルを次々に抜き去っていき7位でフィニッシュした。
2024年F1第5戦中国GP決勝リザルト
Pos | No | Driver | Team | Laps | Time | PTS |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | フェルスタッペン | レッドブル | 56 | 1:40:52.554 | 25 |
2 | 4 | ノリス | マクラーレン | 56 | +13.773s | 18 |
3 | 11 | ペレス | レッドブル | 56 | +19.160s | 15 |
4 | 16 | ルクレール | フェラーリ | 56 | +23.623s | 12 |
5 | 55 | サインツ | フェラーリ | 56 | +33.983s | 10 |
6 | 63 | ラッセル | メルセデス | 56 | +38.724s | 8 |
7 | 14 | アロンソ | アストンマーチン | 56 | +43.414s | 7 |
8 | 81 | ピアストリ | マクラーレン | 56 | +56.198s | 4 |
9 | 44 | ハミルトン | メルセデス | 56 | +57.986s | 2 |
10 | 27 | ヒュルケンベルグ | ハース | 56 | +60.476s | 1 |
11 | 31 | オコン | アルピーヌ | 56 | +62.812s | 0 |
12 | 23 | アルボン | ウィリアムズ | 56 | +65.506s | 0 |
13 | 10 | ガスリー | アルピーヌ | 56 | +69.223s | 0 |
14 | 24 | 周冠宇 | ザウバー | 56 | +71.689s | 0 |
15 | 18 | ストロール | アストンマーチン | 56 | +82.786s | 0 |
16 | 20 | マグヌッセン | ハース | 56 | +87.533s | 0 |
17 | 2 | サージェント | ウィリアムズ | 56 | +95.110s | 0 |
NC | 3 | リカルド | RB ホンダRBPT | 33 | DNF | 0 |
NC | 22 | 角田裕毅 | RB ホンダRBPT | 26 | DNF | 0 |
NC | 77 | ボッタス | ザウバー | 19 | DNF | 0 |
コンディション
天気 | 曇り |
---|---|
気温 | 19℃ |
路面温度 | 31℃ |
セッション概要
グランプリ名 | F1中国GP |
---|---|
レース種別 | 決勝 |
レース開始日時 |
サーキット
名称 | 上海インターナショナル・サーキット |
---|---|
設立 | 2004年 |
全長 | 5451m |
コーナー数 | 16 |
周回方向 | 時計回り |