100kmで競われる2024年FIA-F1世界選手権5戦中国GPスプリントに向けたグリッド争い、スプリント予選（旧シュートアウト）が現地4月19日に行われ、ランド・ノリス（マクラーレン）がポールポジションを獲得した。角田裕毅（RB）は19番手でSQ1敗退を喫した。

スプリント予選は通常の予選よりも各ラウンドの時間が短く、また装着タイヤが制限される。SQ1（12分間）とSQ2（10分間）は新品ミディアム、最終SQ3（8分間）ではソフトタイヤを装着しなければならない。

公式タイヤサプライヤーのピレリは、ハード（白色）にC2、ミディアム（黄色）にC3、ソフト（赤色）にC4コンパウンドを持ち込んだ。

SQ1は気温20℃、路面28℃のドライコンディションでスタートしたが、途中で通り雨が到来。SQ2終盤に再び路面が濡れ出すと本格的に雨が振り始め、SQ3はインターミディエイトでの決戦となった。

ノリスはターン16のトラックリミットにより、その周と翌周のラップが抹消され、一旦はルイス・ハミルトン（メルセデス）がポールを獲得するかに思われたが、チェッカーを経て1分57秒940のタイムを取り戻し、スプリントレースのポールポジションを獲得した。

例えばバーレーン等、一部のグランプリでは最終コーナーのトラックリミットはその周だけでなく翌周のラップも抹消の対象に指定される。ただ、中国GPに関してはこの取り決めが定められていなかった。

特筆すべきはノリスの際立った速さで、2番手ハミルトンとのギャップは1.261秒と、圧巻のパフォーマンスだった。同じMCL38をドライブするオスカー・ピアストリは8番手に留まった。

フェルナンド・アロンソ（アストンマーチン）は、最終ターン16でグラベルに飛び出しタイムが抹消されたマックス・フェルスタッペン（レッドブル）を抑えて3番手を記録した。僚友ランス・ストロールは15番手でSQ2敗退を喫した。

セルジオ・ペレス（レッドブル）はスプリント予選を前にフロアの交換作業を実施。トップタイムでSQ1を通過したが、濡れた路面では競争力を発揮できず、カルロス・サインツ（フェラーリ）に0.161秒差で5番手を許した。

シャルル・ルクレール（フェラーリ）はSQ3のアウトラップのターン9の入口でリアを失いスピンを喫し、ポリスチレンボードを突き抜け左フロントからバリアに接触したが、奇跡的にもクルマに大きなダメージはなく、7番手でクルマを降りた。

ザウバーはレッドブル、フェラーリ、マクラーレンと並んでダブルSQ3進出を果たした。F1史上初の中国人ドライバーとして初の母国レースに臨む周冠宇はジョージ・ラッセル（メルセデス）を1000分の38秒差で抑えて最終SQ3に駒を進めると、地元の観衆から大歓声を浴び、9番手につけた僚友バルテリ・ボッタスに続く10番手でセッションを終えた。

SQ3ではノリスに加えてフェルスタッペン（2回）、ハミルトン、周冠宇、ペレスがトラックリミットによりタイムを抹消され、タイムシートが度々入れ替わる展開となった。これらはすべてターン6あるいはターン16のトラックリミットだった。

ラッセルの後方にはハース勢が並んだ。ケビン・マグヌッセンはチームメイトのニコ・ヒュルケンベルグを僅か0.005秒差で退け12番手を記録。新品モノコックを使うRBのダニエル・リカルドが14番手に続いた。

同じVCARB 01を駆る角田裕毅はチームメイトから0.571秒遅れの19番手に終わり、今シーズン初めてグリッド争いでリカルドに敗れた。

ピエール・ガスリー（アルピーヌ）は、今週末唯一、アップグレード版のフロアを使うチームメイトのエステバン・オコンを抑え、SQ2まで0.088秒の16番手を刻んだ。

ウィリアムズ勢は全く競争力を発揮できず、アレックス・アルボンが18番手、ローガン・サージェントが20番手最下位に終わった。

SQ1終了後にはFP1に続き、ターン5脇の芝が燃えるアクシデントが発生した。マシンが散らす火花が風に乗ってコース外に飛び火したのが原因と考えられるが、詳細は不明だ。

スプリントレースは日本時間4月20日(土)12時にフォーメーションラップが開始され、1周5,451mの上海インターナショナル・サーキットを18周する事でチャンピオンシップポイントを争う。レースの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。

2024年F1第5戦中国GPスプリント予選リザルト

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