中国GPから!2024年の「新しいF1スプリント形式」について最低限知っておくべきルールのまとめ
2024年のF1スプリントは4月19日~21日の次戦第5戦中国GPを皮切りに、マイアミ、オーストリア、アメリカ、サンパウロ、カタールの6戦で行われる。
スプリントが導入された2021年以降の12回のスプリントレースで最も多く勝っているのはマックス・フェルスタッペン(レッドブル)で、7勝を挙げている。一方で意外にも、7度の世界チャンピオンであるルイス・ハミルトン(メルセデス)は一度も優勝した事がない。
導入4シーズン目の今年もスプリント関連のルールが幾つか変更された。その中には週末のリザルトに大きな影響を与え得るものも含まれている。
2024年のF1スプリントを楽しむ上で知っておくべきポイントを、新ルールを中心に以下にまとめる。
”シュートアウト”の変更
まずは名称だが、開幕直前の2月末になって突然、従来「スプリント・シュートアウト」と呼ばれていた、スプリントに向けたグリッド争いのためのセッションが「スプリント予選」へと変更された。
この方が分かりやすいという判断なのだろう。後述のように、変更されたのは名称のみで、新たなスプリント予選の中身は従来と変わらない。
刷新されたセッション順
スプリントが採用される各週末のフォーマットは、初日1回目のフリー走行と3日目の決勝レースを除き、大幅な変更が加えられた。
これまでは初日にフリー走行と予選が、2日目にシュートアウトとスプリントが行われていたが、2024年は初日フリー走行の後にスプリント予選が行われ、2日目の午前に100kmのスプリント、これに続いて日曜の本戦のグリッドを争う予選が開催される。
日 | 時間 | セッション |
---|---|---|
金曜 | 午前 | フリー走行1 |
午後 | スプリント予選 | |
土曜 | 午前 | スプリント |
午後 | 予選 | |
日曜 | 午後 | 決勝レース |
これにより、セットアップ変更制限を巡る問題点が解消された。
よりエキサイティングに?新たなパルクフェルメ規定
フォーマットの変更と合わせてパルクフェルメ規定が改定された。2024年は初日午後のスプリント予選が始まると同時に、クルマはパルクフェルメ下にあるものと見なされセットアップ変更が禁止されるが、2日目のスプリント開始と同時に一旦、解除される。
スプリントの後に行われる2日目午後の予選が始まると同時に、クルマには再びパルクフェルメ規定に伴うセットアップ制限が課せられる。これはレース開始と同時に解除される。
この変更により各チームは、スプリントまでに収集したデータとこれに伴う分析結果を利用し、本戦向けの予選に先立ちセットアップを変更する事が可能となる。
従来ルールの問題点の一つはマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が声高に指摘していたように、スプリントが決勝レースの”ミニ版”として機能する側面があった点だ。
セットアップ変更が禁止されていたため、スプリントを見ることで多かれ少なかれ、レースの展開・結果を予想する事が容易だった。
新しいレギュレーションにより、スプリントを境としてその前後で各チームの競争力、序列が大きく変わる可能性があり、日曜のレースのリザルトは昨年以上に予測不可能なものとなる事が期待される。
週末を通したチームの対応力がよりリザルトに反映される事になるだろう。
スプリント予選形式
名称は「シュートアウト」から「スプリント予選(SQ)」に変更されたが、その形式は変わらない。従来通り3ラウンドのノックダウン方式で行われる。
本戦向けの予選より各ラウンドの時間は短く、またラウンド事に装着可能なタイヤが制限される。
ラウンド | 時間 | タイヤ |
SQ1 | 12分間 | 新品ミディアム |
SQ2 | 10分間 | 新品ミディアム |
SQ3 | 8分間 | 新旧ソフト |
ポイント配分
ポイント配分にも変更はない。レース上位8名にはチャンピオンシップポイント(1位:8点、2位:7点、3位:6点、4位:5点、5位:4点、6位:3点、7位:2点、8位:1点)が与えられる。
なおラップリーダーが規定レース距離の50%以上を消化しない限り、ポイントは与えられない。
降格ペナルティの扱い
プラクティスまたは予選、スプリントで発生したグリッド降格ペナルティはレースに適用される。スプリント予選で発生したグリッドペナルティはスプリントに適用される。
ドライバー変更やパルクフェルメ下での例外措置、インターミディエイトタイヤの供給数など、他にも幾つか細かな変更が行われている。より詳細にスプリント関連のルールが知りたい方は「F1スプリント」を参照されたい。