リカルドを「混乱」させたRBの不正スタート問題に伴うペナルティ
何らのミスも犯していなかったため「当然、疑問に思った」とダニエル・リカルドが振り返ったF1カナダGPでのスタート規定違反に伴う5秒ペナルティについてRBは、車体側の問題だと認めた。
リカルドは今年のマイアミGPで施行された新しいジャンプスタート規定の最初の違反者となった。従来はトランスポンダーが車両の動きを検知した場合に限り、ジャンプスタートが適用されていたが、新しい規定では視覚的に動いたと見なされた場合にもペナルティを科す事が可能となった。
スターティンググリッド上で4秒ライトの点灯以降に動いたとしてスチュワードは、3号車VCARB 01に5秒ペナルティを科す決定を下した。リカルドは7番手を走行していた26周目のピットストップでペナルティを消化し、10番手でコースに復帰した。
8位でレースをフィニッシュした後、リカルドは、本来であればもっと多くのポイントを獲得できたはずだと振り返った。
「まぁ理由は幾つかあるけど、ジャンプスタートで5秒ペナルティを科されたのは奇妙だったね。シグナルを無視したつもりはなかったからちょっと混乱したし、当然、疑問に思った」とリカルドは語る。
「でも、思い出したんだ。そう言えばスタート時の回転数を探っていた時に、クルマが動いているような気がしたなってね」
「チームも少し問題があったと言っていた。おそらくクラッチか何かだろうね」
これについてチーム代表を務めるローラン・メキーズは「ごく僅かなクラッチの引きずりによるものだった」と説明した。
「あれで少し後手に回ったのは間違いない」とリカルドは続ける。
「後は、インターミディエイトに履き替えるためにピットインした時、ステイアウトした何台かにポジションを奪われたと思う。おまけにその新しいインターでは、さほど多くのアドバンテージを得る事ができなかった」
「それでポイント圏外から脱落してしまい、レースは僕らから遠ざかっていった。それでも終盤に路面が乾いてくると、数台を追い抜いて4ポイントを持ち帰る事ができた。少しホッとした。ポイント圏内に戻れたのは久しぶりだからね」
リカルドのレースについてメキーズは「ダニエルは、今週末の土曜日が彼のF1での初勝利からちょうど10周年だという事について話をしていた」と振り返る。
「彼は初めての優勝をこのトラックで達成した。彼がここを気に入っている事が見て取れるわけだが、予選での見事な5番手とレースでの8位という結果がこれを物語っている」
2024年F1第9戦カナダGPでは、2番グリッドからスタートしたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が今季6勝目を上げた。2位はランド・ノリス(マクラーレン)、3位表彰台にはジョージ・ラッセル(メルセデス)が滑り込んだ。
カタロニア・サーキットを舞台とする次戦スペインGPは6月21日のフリー走行1で幕を開ける。