ウィリアムズのジェームズ・ヴァウルズ代表とカルロス・サインツ(フェラーリ)、2024年F1
Courtesy Of Williams / Ferrari

大胆不敵!サインツ争奪戦、ウィリアムズを選ぶのは「容易な決断」とヴァウルズ代表…アウディは脅威に非ず?

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カルロス・サインツ(フェラーリ)の争奪戦でアウディと競う合う立場のジェームズ・ヴァウルズ代表は、大胆不敵にもウィリアムズを選ぶのは「容易な決断」であると主張し、チーム加入を強力にプッシュした。

ルイス・ハミルトンのフェラーリ移籍発表以来、サインツはF1マーケット最大の注目株であり続けている。2025年以降の選択肢はウィリアムズかアウディに絞られたと見られるが、まだ決定には至っていない。

2026年より世界有数の大手自動車メーカー、アウディのワークスチームとなるザウバーは長らくサインツの有力候補とされてきた。豊富なリソースと技術力、モータースポーツにおける豊かな歴史と成功実績、そしてサインツが過去にマクラーレンで共に働いたアンドレアス・ザイドルが指揮を採る。

しかしながらザウバーは今季唯一の無得点チームであり、またアウディがサインツに提示しているとされる長期の契約オファーは、途中で他の有力チームに移籍するチャンスが出た場合、これを掴むのが難しくなる恐れがある事を意味する。

カナダGPの初日にヴァウルズは「なぜウィリアムズなのか?私がここにいるのには理由がある。ウィリアムズは3年前と同じウィリアムズではない。そしてカルロスと話し合っているという事実自体が、我々がアプローチを変えた事を示している」と語った。

「我々は将来的に二人のワールドクラスのドライバーを迎え入れたいと考えている。世界に対し、我々の存在と本気度を知ってもらいたい」

ウィリアムズはアレックス・アルボンと長期契約を結んでいる。ヴァウルズの発言からは、ローガン・サージェントの今季末限りでの離脱は殆ど明らかだと感じられる。

2020年のドリルトン・キャピタルによる買収以降、紆余曲折がありながらもウィリアムズはまずまずの成長を続けてきた。

昨年、チーム代表としてメルセデスから移籍したヴァウルズは、高名なエンジニアであるパット・フライを最高技術責任者として迎え入れ、アルボンに長期契約を快諾させるなど、中長期的復権に向けて少しずつ地盤を固めてきた。

英国グローブのチームの指揮官は、電動パワー比率が約50%に引き上げられる2026年以降の次世代メルセデス製パワーユニットについても大いに自信を持っており、それがサインツ獲得に向けた材料の一つになると仄めかす。

「我々はトップに返り咲くために必要な投資をしている。2026年の我々のクルマには最良のパワーユニットの一つ、もしくは最良のパワーユニットが搭載される予定だ」とヴァウルズは語る。

「近い内に発表できると思うが、過去12ヶ月間に渡って他のチームから集めた約30人の素晴らしい人材が我々の組織に加わる。世界は変わりつつある。一連のプロセスにおける現在の我々の立ち位置を考えると、カルロスのような人物は我々にとって非常に重要な存在となるだろう」

「もちろん、彼がここに来たいかどうかの選択は彼自身に委ねられている。彼がここに来ることを決断するのは容易な事だと思うが、それは彼自身が決めることだ」

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