角田裕毅(RBフォーミュラ1)とクリスチャン・ホーナー代表(レッドブル)、2024年F1
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角田裕毅の2025年RB残留「オプションを行使する適切なタイミング」とレッドブル代表ホーナー

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2025年に向けて角田裕毅がビザ・キャッシュアップRBフォーミュラ1チームに残留するとの発表について、レッドブル・レーシングのクリスチャン・ホーナー代表は「オプションを行使する適切なタイミングが来た」と語った。

現コンストラクターズ・チャンピオンチームでF1での5シーズン目に臨むという角田裕毅の希望は、カナダGPに先立ち発表されたセルジオ・ペレスとの2年の契約延長によって潰える事となり、ジル・ビルヌーブ・サーキットでの予選開始を間近に控え、ファエンツァのチームでの来季残留が正式発表された

ジル・ビルヌーブ・サーキットの縁石を乗り越える角田裕毅(RBフォーミュラ1)の22号車VCARB 01、2024年6月8日F1カナダGPCourtesy Of Red Bull Content Pool

ジル・ビルヌーブ・サーキットの縁石を乗り越える角田裕毅(RBフォーミュラ1)の22号車VCARB 01、2024年6月8日F1カナダGP

2025年のマックス・フェルスタッペンのチームメイトとして、角田裕毅ではなくペレスを選ぶという決定に大きな影響を与えたと考えられているホーナーは、「ユーキが来年もVCARBに留まるという世界的な特ダネがまさに発表された。これは素晴らしいことだ」と語った。

「彼はレッドブル・レーシングのドライバーであり、VCARBのドライバーはレッドブルから貸し出されているドライバーだ。我々は来シーズンも彼をVCARBのドライバーとすべく、彼に対するオプションを行使する適切なタイミングが来たと感じた」

レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコは以前、角田裕毅とレッドブルとの現行契約には、複数年に渡って角田裕毅を囲い込む事が可能な「幾つかのオプション」があると仄めかしていた。

目覚ましい活躍を続ける角田裕毅に対しては、ハースやアルピーヌ、ザウバー(アウディ)と言った複数のライバルチームが接触していたと考えられている。

角田裕毅は過去6戦のうち5戦でポイントを獲得し、RBがこれまでに稼いだ総獲得ポイント24点のうちの19点を獲得。ドライバーズ・ランキングで10位につけている。RBが6番目のチームである事を踏まえると、これはかなりの偉業と言える。

レッドブルがオプションを行使したのには、ライバルによる引き抜きの阻止に加えて、将来の選択肢として角田裕毅をファミリーに留めておきたいとの考えもあるのだろう。

含みを持たせつつもマルコは否定しているが、レッドブルが発表したペレスとの2年契約は、実際には1年のオプション付きの1年契約で、2025年に首脳陣を満足させる結果が残せなかった場合、チームは契約を解除する事ができるとの見方がある。

実際、ペレスについて角田裕毅は「今後2年に渡って活躍しなければなりません。この手の状況では何が起きても不思議はありません」と述べ、レッドブルとペレスとの新たな契約にパフォーマンス条項が含まれている可能性を仄めかしている。

また、フェルスタッペンが2028年末の契約満了前にレッドブルを去るシナリオも考えられる。表面的には少なくとも2026年末まで確定しているレッドブルのシートだが、実際にはそれほど確固たるものではない可能性がある。

今回の契約は、日本人ドライバーに関する重大事項であるにも関わらず日本時間早朝というやや不可解な時間帯に発表された。また、角田裕毅の来季の契約が、シーズンの半分も消化しない段階で発表されたのは今回が初めてだった。

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