オファー殺到、角田裕毅は「純粋な競争力でトップ5ドライバーの1人」とF1有識者…RB残留と移籍の狭間で何を選ぶのか
活躍著しい角田裕毅(RBフォーミュラ1)についてF1公式特派員のローレンス・バレットは、純粋なパフォーマンスという観点で言えば「トップ5ドライバーの1人」との見方を示した。
開幕5戦を経て角田裕毅は5度のグランプリレース入賞を果たし、ランス・ストロール(アストンマーチン)を抑えてドライバーズ・ランキング10位につけており、今や様々なライバルチームが熱い視線を送るドライバーズ・マーケットの注目株となっている。
第9戦カナダGPの舞台、ジル・ビルヌーブ・サーキットでバレットは、「ユーキは目を見張るような仕事をしている。今の手持ちのパッケージを考慮すると、純粋なパフォーマンスという意味ではトップ5ドライバーの1人だと思う」と語った。
「そしてそれはレッドブル、VCARBに対してチーム残留を説得しようとしているまさにそのタイミングで起こっている」
「ただ、彼は他の複数のチームからも注目されている。ザウバー/アウディ、ハース、そしてアルピーヌでさえ、自分達が求めているドライバーがユーキだと考え始めている」
「これはユーキ・ツノダがF1でデビューして以来、まぎれもなく最高の出来事だし、今の彼がどれだけ素晴らしいパフォーマンスを発揮しているのかを示すものだと思う」
オファーが殺到する状況ながらも、少なくとも2025年のみに着目した場合、RBを超える魅力を持つチームを見出す事は決して容易ではなく、レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコによれば、2025年に向けたRBとの契約更新は既定路線のようだ。
バレットは「今日の彼の様子からすると、彼はRB、VCARBとの契約締結まであと少しのところまで来ているようだ」と語る。
「ただ、様々なチームから追い求められ、オファーが提示されている状況で、彼が他のチームも見てみたいと思うのも無理はない」
含みを持たせつつもマルコは否定しているが、レッドブルが発表したペレスとの2年契約は、実際には1年のオプション付きの1年契約で、2025年に首脳陣を満足させる結果が残せなかった場合、チームは契約を解除する事ができるとの見方がある。
実際、ペレスについて角田裕毅は「今後2年に渡って活躍しなければなりません。この手の状況では何が起きても不思議はありません」と述べ、レッドブルとの新たな契約にパフォーマンス条項が含まれている可能性を仄めかした。
もしそうであるならば、角田裕毅はRBとの契約延長を通して2026年レッドブル昇格の夢を追求する事が可能となるが、そのためには実現の可能性を少しでも高められるような何らかの言質を契約書面に盛り込んでおきたいところだ。
角田裕毅は今年、ダニエル・リカルドを圧倒するパフォーマンスを発揮し続け、予選Q3の進出回数でペレスに並ぶ成績を残しているが、それでもクリスチャン・ホーナー代表はレッドブル昇格の真剣な候補と見なさなかったと考えられている。