ジル・ビルヌーブ・サーキットのパドックに到着した角田裕毅(ビザ・キャッシュアップRBフォーミュラ1)、2024年6月6日(木) F1カナダGP
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角田裕毅、RBで2025年F1残留へ!移籍の噂に終止符を打つレッドブル首脳マルコ

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レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコによると、角田裕毅は2025年もRBフォーミュラ1からFIA-F1世界選手権に参戦し、F1での5シーズン目に臨む見通しだ。

F1第9戦カナダGPを前にマルコはオーストリア紙「クライネ・ツァイトゥング」とのインタビューの中で、「角田裕毅は確定している。それは明白だ」と述べ、24歳の日本人ドライバーの移籍の噂に終止符を打ち、来季RB残留に疑いの余地はないと主張した。

モントリオールでの週末に先立ってレッドブルはセルジオ・ペレスとの2年の契約延長を発表した。これによりシニアチーム昇格を最優先事項としていた角田裕毅の来季に更なる注目が集まる事となった。

ペレスの移籍が発表される前、角田裕毅はレッドブルへの昇格が実現しなかった場合、他チームへの移籍も検討すると公言していた。移籍先にはアルピーヌやザウバーの名が取り沙汰されていた。

ペレスとの契約更新についてマルコは「継続性を確保したいと考えていた。ふたりのドライバーは本当に仲が良く、そこに対立はない。さらにチェコはラテンアメリカで信じられないほど人気が高い。彼のグッズはそこでフェルスタッペンのものよりも多く売れているし、調子が良い時の彼はほとんど無敵だ」と説明した。

ジル・ビルヌーブ・サーキットのパドックでサッカーをするRBフォーミュラ1のダニエル・リカルドと角田裕毅、2024年6月6日(木) F1カナダGPCourtesy Of Red Bull Content Pool

ジル・ビルヌーブ・サーキットのパドックでサッカーをするRBフォーミュラ1のダニエル・リカルドと角田裕毅、2024年6月6日(木) F1カナダGP

RBのもう一つのシートはダニエル・リカルドと若手有望株のリアム・ローソンの2名が争う事になる。

レッドブル及びRBのリザーブ兼シミュレータードライバーとして活躍している22歳のニュージーランド人ドライバーについてマルコは「彼は全てのレースに帯同しており、我々は緊密に連絡を取っている」とした上で次のように述べ、ローソンの契約に関する重要な詳細を明かした。

「ローソンとの契約には特別な条項がある。もし我々がシートを提供しない場合、彼は自由に他のチームに移籍できる」

ローソンは昨年、左手を負傷したリカルドの代役として見事なパフォーマンスを見せた。レッドブルがこの原石をそう簡単に手放すかどうかは非常に疑わしいが、同じことはリカルドにも言える。

シーズン序盤こそ角田裕毅に大差で遅れを取っていたものの、34歳のオーストラリア人ドライバーは中国GP以降、徐々に調子を上げており、また車体開発においても大きく貢献。さらに年間3,500万ドル(約55億円)とも噂されるVISAのタイトルスポンサー契約の要因と考えられている。

6つの異なるチームで通算247レースを戦ってきた豊富な経験の価値が更に高まるだけに、2026年の新たなレギュレーションはリカルドにとって追い風となる可能性があるが、いずれにせよレッドブル首脳陣にとって頭の痛い問題である事は間違いない。

角田裕毅の新たな契約は単年か、それとも複数年か。正式発表を待ちたい。

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