活躍する角田裕毅「悔しさと失望」を認めるダニエル・リカルド
ダニエル・リカルド(RBフォーミュラ1)はチームメイトである角田裕毅がコンスタントにポイントを獲得し続ける様を見て、それができていない自身に「悔しさと失望」を抱えていると認めた。
チームメイトがQ3に駒を進めて8番手を刻んだ一方、リカルドはタイヤのウォームアップに苦戦。予選結果が決勝のリザルトに直結するモナコでの12番手はリカルドにとって「受け入れがたい」ものだった。
レースでは周囲より上手く路面を蹴り出し、サン・デボーテ(ターン1)に向けて前を往く2台のアルピーヌに接近したものの、イン側をランス・ストロール(アストンマーチン)に奪われポジションを落とした。
ハース勢とセルジオ・ペレス(レッドブル)がリタイヤした多重クラッシュによる赤旗を経て臨んだ2回目のリスタートでは逆にサン・デボーテでイン側を取ったものの、フェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)に大外刈りを許して再びポジションを失った。
レースを振り返ったリカルドは「典型的なモナコでのレースって感じかな。そうだね…ここでは予選でポイント圏内に入らないと本当に難しいよね」と語った。
「最初のスタートは今シーズンの中で数少ない本当に良いスタートだったけど(笑、それがかえって望んでないポジションに押し込まれた感じがある」
「良い勢いで行けて、ガスリーの後ろに少しスペースがあったんだけど、左に寄ったらコース幅が狭く、ターン1でブレーキを踏まなきゃいけなくて、そこにストロールが勢いよくイン側に飛び込んできたんだ」
「それで1回目は彼に抜かれてしまい、2回目のスタートではオコンがいなくなった分、彼はさっきよりも良いスタートを切ってイン側を守ろうとして横切ってきた。その結果、アウト側にアロンソが飛び込むスペースができたんだと思う」
「それで結局、レース中はずっとアストンの2台の後ろでレースをする事になった。まぁ、驚くことじゃないけどね。ここはモナコだから」
3周目に13番手に後退したリカルドはその後、低速周回するアロンソのペースに付き合う事となった。2度のF1ワールドチャンピオンは、前を往くストロールにフリーストップを与えるべくチームプレイを演じた。
アロンソのサポートにより、ポジションを失わずにタイヤ交換できる十分なギャップを手にしたストロールは44周目にピットイン。10番手ピエール・ガスリー(アルピーヌ)を狙ったが、壁に接触して左リアをパンクさせてしまい、50周目に再度タイヤを交換。アロンソの努力は徒労に終わった。
「レース中にクリーンエアーを受けて少しばかりプッシュできたのはたったの2周だけだったけど、それでも楽しかった。それにアロンソが明らかに何かを企んでいたのを見れたのもあって少しは楽しめた」とリカルドは続ける。
「でも、70周近くに渡ってそういう感じだったわけじゃないから、すごく辛かった。僕が望んでいたモナコにならなかったのは確かだ」
「でも、自分を奮い立たせて、また頑張らなきゃ。次のモントリオールは僕の好きなコースだし…もっと良くなるように頑張るよ」
角田裕毅が8位フィニッシュによって3戦連続のポイントを獲得した一方、リカルドは12位でレースを終える事となった。
チームメイトの活躍は、クルマに競争力があり、週末を上手くまとめ上げればリカルドにも入賞のチャンスがある事を示すものだ。
この点についてリカルドは「そうだね、それに関してはかなりポジティブな事だけど、同時に個人的にはフラストレーションや失望でもある」として、前向きな材料である一方、自身の至らなさを痛感させるものだと語った。
「だってそれは明らかにでき得る事だし、ユーキはここ数レース、ポイントを獲得しているしね」
「だからこそ、自分を奮い立たせて、何が足りないのかを見つけなきゃいけない。うまくいく時もあるけど、毎週末そうでないと意味がないからね。モントリオールでまた頑張るよ」
2024年F1第8戦モナコGPではポールポジションからスタートしたシャルル・ルクレール(フェラーリ)が悲願の母国初優勝を飾った。2位はオスカー・ピアストリ(マクラーレン)、3位表彰台にはカルロス・サインツ(フェラーリ)が滑り込んだ。
ジル・ビルヌーブ・サーキットを舞台とする次戦カナダGPは6月8日のフリー走行1で幕を開ける。