角田裕毅、チーム戦略を成功させる巧みな「マネジメント」を高く評価するRB首脳陣
5月26日(日)のF1第8戦モナコGP決勝を経てビザ・キャッシュアップRBフォーミュラ1チームの首脳陣は、チーム立案の戦略を成功に導いた角田裕毅の巧みなマネジメントを高く評価した。
1周目の多重クラッシュにより赤旗が振られた事で、ローガン・サージェント(ウィリアムズ)以外のドライバーは最初のスタートとは異なるコンパウンドを履いてリスタートに臨んだ。
これは赤旗を機にタイヤ交換義務を消化する事で、残りのレースをノンストップで走り切る戦略をほぼ全てのクルマが採った事を意味する。
各コンパウンド毎にある種のグループが形成され、同じグループ内では他のドライバーのミスを誘うような駆け引きも見られたが、ポイント圏内を走行するドライバーにとって何より重要なのは、限られたオーバーテイクポイントへと向かうコーナーの立ち上がりで適切なポジションを取り、確実にトラクションをかけつつ、周囲のペースに惑わされることなく無事にクルマを持ち帰る事にあった。
角田裕毅は「プッシュしたい」というドライバーとしての本能を抑え、前を往くルイス・ハミルトン(メルセデス)とのギャップが20秒以上に広がろうとも、無駄にペースを上げたりせず、チームにポイントをもたらすことを最優先事項としてステアリングを握り、8位フィニッシュにより3戦連続の入賞を飾った。
この活躍によりRBチームは総獲得ポイントを24点に伸ばし、7位ハースとの点差を17点に広げただけでなく、決して届かないと思われていたランキング5位につけるアストンマーチンに20点差と迫った。
車両パフォーマンス部門を率いるギヨーム・デゾトゥーは「さらに4ポイントが加わった!ユーキの8位は力強く激しい今週末に報いる成果だ」と振り返り、角田裕毅の労をねぎらった。
「彼は金曜日から素晴らしいペースを見せ、今日はパッケージが改善されている事を証明し、我々が依然として中団グループのリーダーである事を示してくれた」
「スタートも良く、一貫性のあるレースを披露し、この非常に特殊なシナリオにおいてタイヤを上手くマネジメントしてくれた。赤旗後の最善の戦略はハードタイヤで再スタートしてそのまま最後まで行くことだった」
「タイヤとクルマのマネジメントが重要なレースでユーキは、エンジニアのサポートを受けながら76周を上手く走り切ってくれた」
チーム代表を務めるローラン・メキーズもまた、角田裕毅がチームを優先し、戦略を遂行した事を高く評価した。
「今日はフィールド全体を通して多くの戦略的な駆け引きが見られた」とメキーズは語る。
「ドライバーとエンジニアは78周を通して、どのようなペースでタイヤをマネジメントするかという点で素晴らしい仕事をしてくれた。モナコでは例年、土曜も日曜もトリッキーなものになるが、チームは見事に仕事をやり遂げてくれた」
「ユーキは本当に絶好調だ。今回も我々を中団グループのトップに導き、戦略通りに走ってまたも貴重なチャンピオンシップポイントを持ち帰ってくれた」
「最後にファエンツァとビスターの皆に心からの感謝を伝えたい。ここ数戦の好成績は彼らの努力の賜であり、今後のレースに向けてさらに努力する意欲を我々に与えてくれた」
2024年F1第8戦モナコGPではポールポジションからスタートしたシャルル・ルクレール(フェラーリ)が悲願の母国初優勝を飾った。2位はオスカー・ピアストリ(マクラーレン)、3位表彰台にはカルロス・サインツ(フェラーリ)が滑り込んだ。
ジル・ビルヌーブ・サーキットを舞台とする次戦カナダGPは6月8日のフリー走行1で幕を開ける。