フェラーリF1-75を駆りアルバート・パーク・サーキットを走行するシャルル・ルクレール、2022年4月8日F1オーストラリアGP
Courtesy Of Ferrari S.p.A.

2度の赤旗、ルクレールが今季2度目のPP!フェルスタッペンは落胆 / F1オーストラリアGP《予選》結果とダイジェスト

  • Published: Updated:

2022 FIA-F1世界選手権3戦オーストラリアGPの公式予選が4月9日にアルバート・パーク・サーキットで行われ、スクーデリア・フェラーリのシャルル・ルクレールが今季2度目のポールポジションを獲得した。

ルクレールは最終ラップで1分17秒868をマーク。唯一、17秒台に入れて2番手マックス・フェルスタッペンに0.286秒の大差をつけた。3番手にはセルジオ・ペレスが続き、レッドブル・レーシング勢がルクレール包囲網を築いた。

予選を終えたフェルスタッペンは「良い感じはしない。今週末はこれまで本当に良い感じじゃなかった。自信を持って走れたラップは一度もなかったと思う。少し手こずってるんだ。もちろん2番手は良い結果だけど、限界まで攻める事ができなかった」と落胆した様子を見せた。

注目のアルピーヌはフェルナンド・アロンソがQ3でクラッシュを喫した。2度のF1ワールドチャンピオンは第1セクターで自己ベスト、第2セクターで全体ベストを刻んだ後にターン11でバリアに衝突した。無線を通して、油圧が失われた結果、シフトダウンが出来なかったとフラストレーションをぶつけた。

アロンソはノータイム10番手に終わり、チームメイトのエステバン・オコンは8番手につけた。

赤旗が振られた結果、カルロス・サインツは計測ラップを放棄せざるを得ず、残された最終アタックではミスを喫して失意の9番手に終わった。

サインツの不運は他のミッドフィールダー達にアドバンテージを与えた。マクラーレンのランド・ノリスは4番手タイムをマーク。メルセデスのルイス・ハミルトンが5番手、ジョージ・ラッセルが6番手につけた。地元の英雄、ダニエル・リカルドは僚友ノリスから0.329秒遅れの7番手でクルマを降りた。

アルファタウリ勢はダブルQ2敗退に終わった。角田裕毅は1回目の計測ラップでグラベルに飛び出し、ラストチャンスに懸けたもののQ3には及ばず、12番手のピエール・ガスリー共々、最終ラウンドを前に姿を消した。

なお「不必要に低速走行」したとして、スチュワードは予選を終えて角田裕毅に今季3回目の戒告処分を科す裁定を下した。

予選Q1:ラティフィとストロールがクラッシュ

FP3に引き続き現地メルボルンは晴れ、決勝のスタートグリッドを決する争いは気温23.8℃、路面31.3℃、湿度55%、気圧1017.5hPaのドライコンディションでスタートした。

公式タイヤサプライヤーのピレリはC2、C3、C5の3種類のコンパウンドを持ち込んだ。一つ飛ばしの選択となったのは、シミュレーションの結果、C4のパフォーマンスがC3と近似する事が判明したためだ。

FP3でクラッシュを喫したアストンマーチン勢は、ランス・ストロールが残り数分で修復を終えてコースに向かったものの、再びクルマを壊してノータイムに終わった。

同郷のカナダ人ドライバー、ウィリアムズのニコラス・ラティフィはストロールを一旦前に出したものの、低速で前を走行したためにターン5の右側から追い抜こうとしたところ、ストロールがイン側に寄って接触。赤旗が振られ、残り2分1秒で時計の針が止められた。

アストンマーチンのランス・ストロールとウィリアムズのニコラス・ラティフィのクラッシュ、2022年4月9日F1オーストラリアGP予選Q1copyright FORMULA 1

アストンマーチンのランス・ストロールとウィリアムズのニコラス・ラティフィのクラッシュ、2022年4月9日F1オーストラリアGP予選Q1

ラティフィは一件について「アウトラップの準備のために追い越そうとしたら、彼が突っ込んできた。彼がラップを中断したのが見えたから、僕は自分の準備ラップに取り掛かろうとしただけだ。全ては映像で明らかだし、僕としてはこれ以上何も言う事はない」と説明した。

皮肉にもこの中断によってチームは5号車の修理を完了。3回のプラクティスを通して僅か23周しか走れていないベッテルは最終計測で18番手タイムを残した。

ウィリアムズのアレックス・アルボンは16番手タイムをマークした後、チェッカーを経てコース上にクルマを停めた。この結果、Q2開始時刻が更に遅れる事となった。

これは搭載していた燃料が枯渇するのを避けるため措置だった。ウィリアムズは予選後、FIAからの要求に従い1リットルの燃料サンプルを提供できず、アルボンは失格処分となった

Pos Driver Team Time Gap Laps
1 マックス・フェルスタッペン レッドブル 1:18.580 7
2 セルジオ・ペレス レッドブル 1:18.834 + 0.254 7
3 シャルル・ルクレール フェラーリ 1:18.881 + 0.301 5
4 カルロス・サインツ フェラーリ 1:18.983 + 0.403 7
5 フェルナンド・アロンソ アルピーヌ・ルノー 1:19.192 + 0.612 6
6 バルテリ・ボッタス アルファロメオ・フェラーリ 1:19.251 + 0.671 5
7 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 1:19.280 + 0.700 6
8 ルイス・ハミルトン メルセデス 1:19.401 + 0.821 8
9 ジョージ・ラッセル メルセデス 1:19.405 + 0.825 8
10 ピエール・ガスリー アルファタウリ 1:19.580 + 1.000 11
11 エステバン・オコン アルピーヌ・ルノー 1:19.605 + 1.025 9
12 ダニエル・リカルド マクラーレン・メルセデス 1:19.665 + 1.085 10
13 角田裕毅 アルファタウリ 1:19.742 + 1.162 10
14 周冠宇 アルファロメオ・フェラーリ 1:19.910 + 1.330 11
15 ミック・シューマッハ ハース・フェラーリ 1:20.104 + 1.524 11
16 アレックス・アルボン ウィリアムズ・メルセデス 1:20.135 + 1.555 11
17 ケビン・マグヌッセン ハース・フェラーリ 1:20.254 + 1.674 11
18 セバスチャン・ベッテル アストンマーチン・メルセデス 1:21.149 + 2.569 3
19 ニコラス・ラティフィ ウィリアムズ・メルセデス 1:21.372 + 2.792 8

予選Q2:アルファタウリがW敗退

ペレスはQ2をトップタイムで通過した。ラッセルのコースオフに伴い振られた黄旗を無視した疑いがあるとして、セッション後に審議が行われたがお咎めなしの裁定が下った。

フェラーリ勢は1セット目に中古タイヤを履き、最終の計測で新品を装着。2-3番手でQ3に駒を進めた。

角田裕毅は1回目の計測ラップでグラベルに飛び出し、ラストチャンスに懸けたもののQ3には及ばず、12番手のガスリー共々、Q2敗退を喫した。

Pos Driver Team Time Gap Laps
1 セルジオ・ペレス レッドブル 1:18.340 12
2 カルロス・サインツ フェラーリ 1:18.469 + 0.129 16
3 シャルル・ルクレール フェラーリ 1:18.606 + 0.266 13
4 マックス・フェルスタッペン レッドブル 1:18.611 + 0.271 15
5 フェルナンド・アロンソ アルピーヌ・ルノー 1:18.815 + 0.475 13
6 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 1:19.066 + 0.726 14
7 ジョージ・ラッセル メルセデス 1:19.076 + 0.736 17
8 ルイス・ハミルトン メルセデス 1:19.106 + 0.766 18
9 ダニエル・リカルド マクラーレン・メルセデス 1:19.130 + 0.790 16
10 エステバン・オコン アルピーヌ・ルノー 1:19.136 + 0.796 17
11 ピエール・ガスリー アルファタウリ 1:19.226 + 0.886 19
12 バルテリ・ボッタス アルファロメオ・フェラーリ 1:19.410 + 1.070 13
13 角田裕毅 アルファタウリ 1:19.424 + 1.084 17
14 周冠宇 アルファロメオ・フェラーリ 1:20.155 + 1.815 16
15 ミック・シューマッハ ハース・フェラーリ 1:20.465 + 2.125 19

予選Q3:アロンソがクラッシュ

太陽が地平線に近づき横からの日差しが強まった事を受け、フェルスタッペンやルクレールを含む一部のドライバーがバイザーを交換・調整してセッションに臨んだ。

アロンソは第1セクターで自己ベスト、第2セクターで全体ベストを刻み、2列目の可能性を見据えていたものの、メカニカルトラブルによってクラッシュを喫した。この結果、サインツとラッセルは計測ラップを断念せざるを得なかった。

1回目の計測を終えてルクレールが暫定ポールに立ち、ペレスがフェルスタッペンを1/1000秒差で退け2番手につけた。フェルスタッペンは苦手意識があるのか、第1・2セクターで全体ベストを刻んだものの、ターン13でタイヤをロックアップさせた。

フェルスタッペンは自己ベストを塗り替え暫定ポールを奪取したものの、ルクレールはこれを上回る走りでオーストラリアでの3年ぶりのポールシッターに輝いた。

2022年 F1オーストラリアグランプリ決勝レースは、日本時間4月10日(日)14時にスタート。1周5,279mのアルバート・パーク・サーキットを58周する事でチャンピオンシップを争う。

2022年F1第3戦オーストラリアGP予選リザルト

Pos No Driver Team Q1 Q2 Q3 Laps
1 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 1:18.881 1:18.606 1:17.868 21
2 1 マックス・フェルスタッペン レッドブル 1:18.580 1:18.611 1:18.154 21
3 11 セルジオ・ペレス レッドブル 1:18.834 1:18.340 1:18.240 21
4 4 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 1:19.280 1:19.066 1:18.703 20
5 44 ルイス・ハミルトン メルセデス 1:19.401 1:19.106 1:18.825 28
6 63 ジョージ・ラッセル メルセデス 1:19.405 1:19.076 1:18.933 26
7 3 ダニエル・リカルド マクラーレン・メルセデス 1:19.665 1:19.130 1:19.032 22
8 31 エステバン・オコン アルピーヌ・ルノー 1:19.605 1:19.136 1:19.061 23
9 55 カルロス・サインツ フェラーリ 1:18.983 1:18.469 1:19.408 22
10 14 フェルナンド・アロンソ アルピーヌ・ルノー 1:19.192 1:18.815 DNF 15
11 10 ピエール・ガスリー アルファタウリ 1:19.580 1:19.226 19
12 77 バルテリ・ボッタス アルファロメオ・フェラーリ 1:19.251 1:19.410 13
13 22 角田裕毅 アルファタウリ 1:19.742 1:19.424 17
14 24 周冠宇 アルファロメオ・フェラーリ 1:19.910 1:20.155 16
15 47 ミック・シューマッハ ハース・フェラーリ 1:20.104 1:20.465 19
NC 23 アレックス・アルボン ウィリアムズ・メルセデス 1:20.135 11
16 20 ケビン・マグヌッセン ハース・フェラーリ 1:20.254 11
17 5 セバスチャン・ベッテル アストンマーチン・メルセデス 1:21.149 3
18 6 ニコラス・ラティフィ ウィリアムズ・メルセデス 1:21.372 8
NC 18 ランス・ストロール アストンマーチン・メルセデス DNF 2

コンディション

天気晴れ
気温23℃
路面温度31℃

セッション概要

グランプリ名 F1オーストラリアGP
セッション種別 予選
セッション開始日時

サーキット

名称 アルバート・パーク・サーキット
設立 1996年
全長 5278m
コーナー数 14
周回方向 時計回り

F1オーストラリアGP特集