2021年8月1日のF1ハンガリーGPを2位で終え、チームのもとに駆け寄るセバスチャン・ベッテル
Courtesy Of Aston Martin Lagonda Limited

アストンマーチンF1、セバスチャン・ベッテル失格処分に正式控訴…更には再審権も行使

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アストンマーティンF1チームはハンガリーGPでのセバスチャン・ベッテルの2位失格処分を不服として正式に控訴手続きを開始すると共に、この決定を覆すために合わせて再審査請求権を行使した。

アストンマーチンは8月5日木曜日の夜に声明を発表し、データ上では1.74リットルという規約で定められた既定値を超える燃料が残っており、また、ペナルティに関連する「重要な新証拠を発見」したため、正式に控訴の手続きを開始すると共に再審査請求を行った事を明らかにした。

「8月1日(日)に開催されたF1ハンガリーGPでセバスチャン・ベッテルが2位を獲得した後、マシンから1.0リットルの燃料サンプル(FIA F1技術規則に定められた要件)が採取できなかったとして失格処分が言い渡される事となった」

「ベッテルがドライブしていたマシン、アストンマーティンAMR21はこの規約違反によってパフォーマンス上の優位性を得てはおらず、また意図的にこれを行ったわけでもなかった」

「チームのデータによると、レース後のマシンには1.0リットルを超える燃料(データによると1.74リットル)があったため、我々は直ちに控訴権を行使した。更に、FIAスチュワードが裁定を決定した際には入手できなかった制裁に関連する新たな重要証拠を発見したため、控訴と並行して再審査請求を行った」

レギュレーションはチームに対して控訴権だけでなく再審請求権を与えている。再審請求はレッドブル・ホンダがイギリスGPでのルイス・ハミルトンとの接触の一件で行使した権利で、新たな重要証拠の提出を要件に再審理を認めるものだ。

4度のF1ワールドチャンピオンはハンガロリンクでの大波乱のレースをエステバン・オコン(アルピーヌ)に次ぐ2位でフィニッシュしたものの、燃料サンプル違反となったためにレース結果から除外された。

燃料残量に懸念が生じた事から、チェッカーフラッグ後にベッテルはチームからの指示に従いパルクフェルメではなくターン12のコース脇にクルマを停めた。FIAテクニカルデリゲートのジョー・バウアーは、5号車アストンマーチンAMR21から回収できたのは規約で定められた1.0リットルではなく0.3リットルのみであったと報告した。

スチュワードによる失格裁定を受けアストンマーチンは直ちに控訴の意向を表明。規約で定められた96時間以内に、正式に控訴手続きを開始するか否かを決定する必要があった。

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