フェルスタッペン、賠償請求敗訴…アムステルダム裁 肖像権侵害認めず
レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが肖像権侵害を巡りネットスーパー「ピクニック」に対して損害賠償を求めた訴訟の判決で、オランダ・アムステルダム控訴裁判所は6月2日(火)、ピクニックの主張を認め、現役オランダ人F1ドライバーの訴えを退けた。
2016年、ピクニックはフェルスタッペンに似た人物を使った動画をフェイスブックに投稿した。映像では、レッドブルのロゴ入りオーバーオールを着た長身のそっくりさんが、ピクニックの配送用トラックに乗り込み町中を運転。配送センターに止まると、従業員たちがピットストップを模した様に荷台の荷物を入れ替え、その後一戸建てに配達するまでの様子が収められている。
これに対してフェルスタッペンは肖像権侵害を主張し、ピクニックを相手取り損害賠償を求めて訴えを起こした。第一審では同国著作権法第21条の肖像権侵害にあたるとして原告の主張を認め、2018年に被告に対して15万ユーロ(約1,800万円)の損害賠償を命じた。
ピクニックはこれを不服としアムステルダム控訴裁判所に控訴。フェルスタッペンとその関連利益会社もまた、損害賠償額が低すぎるとして判決に不満を訴えていた。
控訴裁判所は、動画に登場する俳優がフェルスタッペン本人ではない事並びに、これがパロディである事は誰の目にも明らかであり、また、フェルスタッペン本人が描かれているわけでもないとして、肖像権の侵害は認められないとした。
更に、本動画はフェルスタッペンの名誉を傷付けるような性質のものではなく、また、フェルスタッペン並びに利益関連法人のビジネス上の利益を損なうものでもないとして一審の判決を取り消し、訴えを棄却した。