レッドブル、ペレスに異なるセットアップ…白熱必至の対ルクレール戦。行方や如何に
レッドブル・レーシングは2台のセットアップを分けて11月19日(土)のF1アブダビGP予選に臨んだ。1台は決勝レースにおけるタイヤマネジメントをより重視したリアウイング選択を行った。
争う対象、そしてドライバーが異なるものの、同一ポイントで最終戦を迎えたという点では昨年と同じ展開となった。主役はセルジオ・ペレス(レッドブル)とシャルル・ルクレール(フェラーリ)。ランキング2位争いだ。
予選でフェルスタッペンに及ばなかったペレスは、初日フリー走行と同じ様にチームメイトよりもやや傾斜角が大きいウィングを選択したようだ。リアタイヤを労る狙いがあるものと思われる。
「昨日のFP1では確かに、いろいろな事を試した。コースコンディションがかなり違うから、FP2に向けてクルマを分けて色々な事にトライしたんだ。最終的にはマックスとは違うレベルにした」とペレスは語った。
「おそらくデグラデーションが少し大きくなっているように思うから、明日のレースは(昨年よりも)少しばかり興味深い事になるんじゃないかと言う気がしている」
反面、トップスピードは犠牲になる。DRS圏内を許せば抑え込むのは難しいかもしれない。
ルクレールの前に留まり切れるか?と問われたペレスは「難しいレースになりそうだ」と答え「彼らは速いだろうしシャルルとは接近戦になるだろうね」と付け加えた。
スプリントが採用された前戦サンパウロGPはロングランの競争力が不透明なままに両レースを迎え、結果としてレッドブル勢にとっては今シーズンの中で最も苦戦を強いられた週末となった。
今回は非スプリントのレースウィークであるものの、日没を挟むトワイライトレースであり、同一時間帯のプラクティスが60分のみであるため同じくロングランが未知数だ。
ペレスは「誰もちゃんとしたロングランをしていないと思から、その意味でも明日のレースは興味深いものになると思う」と指摘した。
ランキング2位争いはシンプルで、基本的には明日のレースで先にフィニッシュしたものが勝利する。
ペレスはチームメイトと並ぶ最前列2番グリッドに着くが、すぐ後ろの3番グリッドにはルクレールが、4番グリッドにはその僚友カルロス・サインツが並ぶ。2対2。ペースが拮抗すれば戦略家の判断が勝敗を大きく左右する可能性がある。
フェラーリはチーム戦という位置付けで明日のレースに臨むスタンスだ。ランキング2位争いにおける戦略について問われたルクレールは「カルロスと共に取り組めると確信している。それは間違いない」と答えた。
ただフェラーリはペレスのみに集中する事はできない。ルクレールは「特にコンストラクターズでの2位獲得はチームにとって重要だ」と指摘した。5・6番グリッドに着くメルセデス勢が好ペースを刻めばペレスに有利に働く可能性が出てくる。
実際、フェラーリのスポーティング・ディレクターを務めるローラン・メキーズはトップ3チームによる混戦を予想している。
「まずまずのスタート位置だが、レッドブルとメルセデスはかなり強力なペースを発揮してくるだろう。我々は6台による接近戦を予想している。タイヤマネジメントが再び重要なファクターとなるだろう」とメキーズは語った。
メルセデスが戦略的に仕掛けてきた場合、フェラーリがどう動くかも見ものだ。
2022年F1アブダビGP予選ではマックス・フェルスタッペンがポールポジションを獲得。2番手にセルジオ・ペレスが続いた事でレッドブルが最前列を独占する結果となった。
アブダビGPの決勝レースは日本時間11月20日(日)22時にフォーメーションラップ開始の時を迎える。1周5,281mのヤス・マリーナ・サーキットを58周する事でチャンピオンシップを争う。