全てはリカルド次第…レッドブル復帰なるか、ただしレースシートには繋がらないとホーナー
レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表は、2023年に向けてサードドライバーとしての契約をダニエル・リカルドにオファーした事を認めた。実現するか否かはリカルドの決断に託された。ただ、レースシートに繋がるものではないと指揮官は主張する。
マクラーレンでの厳しい2年間を経て今シーズン限りでシートを失うリカルドは、2024年のカムバックを最優先事項として取り組んでいくとしており、かつて7勝を挙げた英国ミルトンキーンズのチームに復帰する可能性が高まっている。
F1アブダビGPの初日フリー走行を経て、レッドブル・レーシングのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、リカルドが来季サードドライバーとしてチームに復帰し、開発・アンバサダー的な役割を担う可能性があると認めた。
19日(土)の会見の中でマルコの発言について問われたホーナーは「我々はまだ何にもサインしていないが、ヘルムートの熱意的に発表に至ったという事なのだろう!」と語った。
そして「つまり、彼がサインしないことを選ばない限り、ダニエルが我々に加わるという事なのだろうね」と述べ、全てはリカルドの決断次第だと仄めかした。
「ダニエルは偉大なキャラクターの持ち主だ。今年の彼のパフォーマンスを見るのは嘆かわしかった。彼のことだからもっと多くを望んでいたことだろう」
「だが、彼は今でもF1で最も知られた名前とキャラクターを持つ人物の1人だし、レッドブル・ジュニアとしてキャリアを過ごした歴史を持っている」
「我々は数多くのショーランやイベントを行うなど非常にアクティブなチームだし、ダニエルほどの知名度と歴史を持つドライバーがチーム、グループ内にいるすれば、それは我々にとって財産でしかない」
「契約が結ばれれば、彼はF1との関わりを維持することになるし、我々は彼をシミュレーター作業に宛てたり、イベントに参加させる事になるだろう」
「もちろん、彼が契約にサインすればの話だがね」
ただこの契約が、2024年のF1復帰を目指すリカルドにとってどのようなメリットがあるのかは分からない。
レギュラードライバーのマックス・フェルスタッペンは2028年末まで、セルジオ・ペレスは2024年末までの契約を結んでおり、原則として少なくとも後2年はレースシートに空きが出ることはない。
チームに在籍していた時と同じように活躍できることをリカルドが証明した場合、レースシートの選択肢となり得るのかと問われたホーナーは「いやいや、ダニエルにオファーしたの契約は特定の理由に依るものなんだ」と否定し、ブラジルでのチームオーダー騒動を経て一部で将来が不安視されているペレスとの契約を強調した。
「我々はチェコと今後2シーズンの契約を結んでいる。マックスとチェコのパートナーシップは我々にとって驚異的なものだ」
「今シーズンはこれまで5回の1-2フィニッシュを達成し、8年間勝ち取ることができなかったコンストラクターを制するという驚異的な成果を挙げた。これは両ドライバーのポイント貢献によるものだ」
「2人のドライバーは良い関係を築いている。チームのために素晴らしいレースを戦ってきた。明日(アブダビGP)のレースでも、その後のチームとの契約期間においても、それが変わる理由は何処にもない」