故ディートリッヒ・マテシッツを追悼するレッドブル・レーシングのセルジオ・ペレスとマックス・フェルスタッペン、2022年10月23日F1アメリカGP
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レッドブルとペレスを”軽んじた”フェルスタッペンに辛辣非難「自己中で底意地が悪い」ヘルムート・マルコも厳重注意

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2022年のF1ワールドチャンピオン、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)は、僚友セルジオ・ペレスに順位を明け渡せとのチームオーダーに従わず、F1サンパウロGPを6位でフィニッシュした事で「自己中で底意地が悪い」との辛辣な非難を浴びている。

フェルスタッペンはレースエンジニアを務めるジャンピエロ・ランビアーゼからのチームオーダー無線に対して「二度と言うな」と断固聞き入れず、F1サンパウロGPの決勝をチームメイトの前でフィニッシュした。

フェルスタッペンのタイトル獲得を経てレッドブルは、残りのシーズンでのチームとしての目標をランキング1-2に定めている。

チームメイトの唖然とする行動の結果、シャルル・ルクレール(フェラーリ)と同一ポイントで最終アブダビGPに臨む事になったペレスは、2度の世界タイトルは自分のサポートなしには達成できなかったのに「どうしてポジションを明け渡さなかったのか理解できない」「本性が表れた」と不満をあらわにした。

ペレスがこれまでにフェルスタッペンのタイトル獲得に貢献してきた事は疑いようのない事実だ。特に、昨年末のアブダビでのルイス・ハミルトン(メルセデス)に対するディフェンスなくして戴冠なかった事はフェルスタッペン自身が認めている通りで、フェルスタッペンの姿勢には非難と失望が広がっている。

最も声高に非難している識者の一人は、F1公式デジタルプレゼンター兼レポーターを務めるウィル・バクストンだ。

F1デジタルプレゼンテーターを務めるウィル・バクストン、2016年F1オーストリアGPにてCourtesy Of Red Bull Content Pool

F1デジタルプレゼンテーターを務めるウィル・バクストン、2016年F1オーストリアGPにて

バクストンはレース直後にTwitterを通して「マックスは2度のチャンピオンに相応しい」とした上で「今日はチームリーダーとして学ぶべき事がたくさんあることが示された」と綴り、既にタイトルが決している今、ペレスのこれまでの貢献を考えれば6位を譲る事に何も問題はなかったはずだと指摘した。

「チェコは彼の目標達成のために尽くしてきた。その全てを鑑みれば今日のリザルトは大局的にマックスにとっては何の意味もない。(彼は)チームメイトとチームを軽んじた」

レース後、フェルスタッペンは詳細に踏み込む事を拒否したが、オランダの複数の情報筋によると今回の反抗的な態度は、今年5月のモンテカルロでのペレスの「故意」によるクラッシュに対する仕返しだった可能性が指摘されている。

半日を置いてバクストンは更に「もしこれがモナコと関係があるのなら、それは重大だが、チームはこれまでの間に対処すべきべきだった。議論され、解決されているべきだった。フェルスタッペンは遠い過去のものとすべきだった」と続けた。

「その上で、今シーズンの展開を考えると彼の唯一の焦点はチーム戦にあるべきだ」

「レッドブルはドライバーズ・チャンピオンシップで1-2を取ったことがない。それが今の彼らが掲げている目標だ」

「彼が昨日、チームの願いを突っぱねた事は、短気で嘆かわしく、自己中心的で近視眼的な底意地の悪さを示すものだった」

「彼はまだ完璧なレーサーではない。チームが必要とする守護神でもない。学ぶべきことが多い」

単に我を通したということでなく、フェルスタッペンも合意済みのチームとしての目標達成のために出された指示を断固として聞き入れなかった事を問題視する声が目立つ。

1998年と1999年のF1ワールドチャンピオン、ミカ・ハッキネンは「最優先されるべきは常にチームだ。チームメイトと協力するという合意があるならば、それを守ることがいつだって一番重要だ」とTwitterに投稿した。

フェルスタッペンがチームオーダーを無視した事についてレッドブルの指南役を務めるヘルムート・マルコは厳重に注意した。

RacingNews365によるとマルコは、チームの決定にフェルスタッペンが逆らった事に驚き、次戦アブダビGPに向けて「レッドブルの目標はチェコと共にランキング2位をつかむ事で、マックスはそのためにできる事は全てやらなければならない」と強調し、「それについて言いたいことはそれだけだ」と付け加えた。

実態はさておき、レッドブルは一件について解決済みだと強調する。

チーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーは「内々で話し合った。アブダビではチェコがチャンピオンシップで2位を獲得できるようチームとしてできる限りの事をする。マックスもそれを支持している」と述べ、2人は「握手を交わした」と沈静化を図った。

フェルスタッペンは必要とあらばアブダビで協力する意思があると認め、レースから丸一日を経てペレスは、フェルスタッペン及びチームと洗いざらい話し合ったとして「もう過去の出来事だ。これまでのようにこれからも素晴らしいチームとしてやっていく」とSNSに投稿した。

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