FIA世界耐久選手権(WEC)第4戦ル・マン24時間レース100周年記念大会のポールポジションを獲得したフェラーリAFコルセのアントニオ・フォッコ、2023年6月8日サルト・サーキットにて
Courtesy Of FIA WEC

2023 ル・マン24時間ハイパーポール:俊足フェラーリを前にトヨタ、7年ぶりの最前列外「ポールのチャンスはなかった」と可夢偉

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FIA世界耐久選手権(WEC)第4戦ル・マン24時間のハイパーポールが2023年6月8日(木)の現地20時より30分間に渡って行われ、アントニオ・フォッコ駆る50号車フェラーリ499Pがポールポジションを獲得。僚友51号車が2番手に続き、フェラーリAFコルセがフロントロウを独占した。

予選の各クラストップ8により行われたハイパーポールでTOYOTA GAZOO Racing(TGR)は、記念すべき100周年大会での連続ポール記録更新を目指したものの、不運なタイミングでの赤旗やタイム抹消、そして最低重量プラス37kgという直前の性能調整もあって、8号車が3番手、7号車が5番手と、2016年以来、ル・マンでの最前列を逃す事となった。

Pos. Class Team
Car
Driver Time
Gap
Lap
1 HYPERCAR AFコルセ 50号車
Ferrari 499P
Antonio FUOCO
Miguel MOLINA
Nicklas NIELSEN
3:22.982
7
2 HYPERCAR AFコルセ 51号車
Ferrari 499P
Alessandro PIER GUIDI
James CALADO
Antonio GIOVINAZZI
3:23.755
0.773
7
3 HYPERCAR トヨタ・ガズー・レーシング 8号車
Toyota GR010 HYBRID
S.ブエミ
B.ハートレー
早川亮
3:24.451
1.469
8
4 HYPERCAR Porsche Penske Motorsport 75号車
Porsche 963
Felipe NASR
Mathieu JAMINET
Nicholas TANDY
3:24.531
1.549
4
5 HYPERCAR トヨタ・ガズー・レーシング 7号車
Toyota GR010 HYBRID
M.コンウェイ
小林可夢偉
J.マリア・ロペス
3:24.933
1.951
8
6 HYPERCAR Cadillac Racing 2号車
Cadillac V-Series.R
Earl BAMBER
Alex LYNN
Richard WESTBROOK
3:25.170
2.188
8
7 HYPERCAR Porsche Penske Motorsport 5号車
Porsche 963
Dane CAMERON
Michael CHRISTENSEN
Frédéric MAKOWIECKI
3:25.176
2.194
3
8 HYPERCAR Cadillac Racing 3号車
Cadillac V-Series.R
Sébastien BOURDAIS
Renger VAN DER ZANDE
Scott DIXON
3:25.521
2.539
6
9 LMP2 IDECスポーツ 48号車
Oreca 07 – Gibson
Paul LAFARGUE
Paul Loup CHATIN
Laurents HÖRR
3:32.923
9.941
7
10 LMP2 ジョタ 28号車
Oreca 07 – Gibson
David HEINEMEIER-HANSSON
Oliver RASMUSSEN
Pietro FITTIPALDI
3:33.035
10.053
8
11 LMP2 Team WRT 41号車
Oreca 07 – Gibson
Rui ANDRADE
Louis DELÉTRAZ
Robert KUBICA
3:33.240
10.258
7
12 LMP2 クール・レーシング 47号車
Oreca 07 – Gibson
Reshad DE GÉRUS
Vladislav LOMKO
Simon PAGENAUD
3:33.580
10.598
7
13 LMP2 Prema Racing 63号車
Oreca 07 – Gibson
Doriane PIN
Daniil KVYAT
Mirko BORTOLOTTI
3:33.983
11.001
8
14 LMP2 ニールセン・レーシング 14号車
Oreca 07 – Gibson
Rodrigo SALES
Mathias BECHE
Ben HANLEY
3:34.021
11.039
6
15 LMP2 Prema Racing 9号車
Oreca 07 – Gibson
Bent VISCAAL
Juan Manuel CORREA
Filip UGRAN
3:34.658
11.676
8
16 LMP2 Vector Sport 10号車
Oreca 07 – Gibson
Ryan CULLEN
Gabriel AUBRY
Matthias KAISER
3:35.091
12.109
8
17 LMGTE Am Corvette Racing 33号車
Chevrolet Corvette C8.R
Nicky CATSBURG
Ben KEATING
Nicolas VARRONE
3:52.376
29.394
9
18 LMGTE Am ORT by TF 25号車
Aston Martin Vantage AMR
Ahmad AL HARTHY
Michael DINAN
Charlie EASTWOOD
3:53.905
30.923
8
19 LMGTE Am AFコルセ 54号車
Ferrari 488 GTE Evo
Thomas FLOHR
Francesco CASTELLACCI
Davide RIGON
3:54.582
31.6
8
20 LMGTE Am AFコルセ 21号車
Ferrari 488 GTE Evo
Simon MANN
Julien PIGUET
Ulysse DE PAUW
3:54.744
31.762
5
21 LMGTE Am AFコルセ 83号車
Ferrari 488 GTE Evo
Luis PEREZ COMPANC
Alessio ROVERA
Lilou WADOUX
3:55.033
32.051
8
22 LMGTE Am Kessel Racing 57号車
Ferrari 488 GTE Evo
木村武史
Scott HUFFAKER
Daniel SERRA
3:55.637
32.655
8
23 LMGTE Am GMB Motorsport 55号車
Aston Martin Vantage AMR
Gustav BIRCH
Marco SØRENSEN
Jens Reno MØLLER
3:57.240
34.258
7
24 LMGTE Am Kessel Racing 74号車
Ferrari 488 GTE Evo
Kei COZZOLINO
Yorikatsu TSUJIKO
Naoki YOKOMIZO
3:59.648
36.666
8

昨年のル・マン勝者である8号車GR010ハイブリッド(セバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮)はハートレーが1.469秒遅れの3番手をマーク。7号車(小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペス)は、ジャッキー・イクスが誇る通算5回目のポールを目指して小林可夢偉がステアリングを握ったものの、1.951秒及ばなかった。

ヘルメットを脱いだ小林可夢偉は「全力を尽くしましたが、僕らが現実的にはポールポジションを獲得するチャンスはありませんでした。フェラーリを祝福したいと思います。彼らのラップタイムは非常に速く、僕らにとっては困難なタイムでした」と振り返った。

トヨタ勢は残り10分というタイミングでの再アタックで自己ベストを更新するペースを見せていたものの、赤旗によりセッションは中断。残り約5分での再開を経て小林可夢偉は3番手タイムを刻んだが、トラックリミット違反によりタイム抹消となった。

「もちろんル・マンでのポール獲得は特別なものであり、そのために可能な限りハードにアタックしましたが、やや攻めすぎてトラックリミット違反を取られてしまいました」と小林可夢偉は続ける。

「レースは長時間に渡るので、3番手と5番手というスターティング・グリッドにあまり意味はなく、決勝レースは全く別物になることもあり得ます」

「1周のアタックという点で僕らは最速ではなく、決勝も楽な戦いにはならないと思いますが、24時間レースで勝つためにはチームスピリット、正しい戦略、そして、ミス無く戦うこと、その全てが必要です。日曜午後のチェッカーに向けてベストを尽くすだけです」

TOYOTA GAZOO Racingの小林可夢偉、2023年6月7日FIA世界耐久選手権(WEC)第4戦ル・マン24時間レースCourtesy Of TOYOTA MOTOR CORPORATION

TOYOTA GAZOO Racingの小林可夢偉、2023年6月7日FIA世界耐久選手権(WEC)第4戦ル・マン24時間レース

3番手という結果についてハートレーは「フェラーリの2台が速すぎてグリッド最前列獲得は不可能だった」として、望みうる最大限の結果との見方を示した。

「最善を尽くしたからポールを獲得できれば良かったけど、3番手は悪くない結果だ。誰もが知っている通り、決勝レースは予選とは全く別だし、気持ちを切り替える必要がある」

「僕らは今シーズン、決勝での戦い方やチームワークで結果を残してきた。それをまた披露する時だ。チーム一丸となってこれまでの全ての経験を活かし、トップを取るために集中しなきゃならない。戦う準備はできている」

ル・マン24時間レースは10日(土)の正午より行われる15分間のウォームアップを経て、現地時間16時、日本時間23時にスタートを迎える。

サルト・サーキットを周回するTOYOTA GAZOO Racing 7号車GR010ハイブリッド、2023年6月7日FIA世界耐久選手権(WEC)第4戦ル・マン24時間レースCourtesy Of TOYOTA MOTOR CORPORATION

サルト・サーキットを周回するTOYOTA GAZOO Racing 7号車GR010ハイブリッド、2023年6月7日FIA世界耐久選手権(WEC)第4戦ル・マン24時間レース