ピエール・ガスリー、アルピーヌF1と2028年まで契約延長―チーム再建の”柱”に

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アルピーヌは9月6日、ピエール・ガスリーとの契約を延長し、2028年末まで同チームに残留することを発表した。2023年の加入時には2026年までの契約だったが、新たに2年間の延長に合意した。

2025年F1第16戦イタリアGPの2日目に発表されたこの動きは、エグゼクティブ・アドバイザーを務めるフラビオ・ブリアトーレ新体制の下で、ガスリーがチーム再建の中核を担う存在であることを明確にするものとなった。

29歳のフランス人ドライバーは2017年にトロ・ロッソ(現レーシング・ブルズ)からデビューし、翌年からフル参戦。レッドブル昇格を経て姉妹チームに戻り、リードドライバーとしてチームを牽引した後、2023年にアルピーヌへ移籍した。

アルファタウリ在籍時の2020年には、イタリアGPでキャリア唯一の優勝を果たした。アルピーヌではこれまで2度の表彰台(2023年オランダGP、2024年サンパウロGP)を獲得しており、パドック内でも高く評価される存在だ。

ガスリーは「長期的な将来をアルピーヌに託せることに胸が高鳴る。フランス人としてフランスの自動車メーカーで走れることを誇りに思う」とコメント。さらに「ここに長く留まり、チームと共に勝利と世界選手権制覇という共通の目標を成し遂げたい」と意欲を語った。

アルピーヌはガスリーを「2026年以降の新レギュレーション時代に向けてチームを率いるドライバー」と位置づけた。コンストラクターズ最下位に沈む今季において、ガスリーはチーム唯一の得点源となっている。

ブリアトーレも「ピエールは困難な時期においてチームにとって大きな財産だった。彼の姿勢、献身、才能に感銘を受けている。2026年から始まる新時代に向け、我々は準備ができている」と称賛。チームリーダーとしてガスリーを据える姿勢を鮮明にした。

一方で、来季のチームメイトは未定だ。フランコ・コラピントはシーズン末までに自身の価値を証明する必要がある。前戦オランダGPでは、復帰後最上位となる11位フィニッシュしたが、依然として安定感を欠き、残留を勝ち取れるかは不透明だ。

ガスリーの長期残留決定により、アルピーヌは再建の柱を確保した。あとは誰をパートナーに据え、2026年以降の新時代に臨むのかが注目される。

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