
アルピーヌF1、スティーブ・ニールセンをMDに迎え再建加速─空力・マーケ部門も強化
コンストラクター選手権最下位に沈むアルピーヌF1チームは、F1イギリスGPの初日を迎えた2025年7月4日、スティーブ・ニールセンがマネージングディレクター(MD)としてチームに加わることを発表した。
ニールセンは2025年9月1日付で業務を開始し、チームの日常的な運営を統括する。これは、5月に電撃辞任した前チーム代表オリバー・オークスの業務の一部を引き継ぐ形となるが、チーム全体の統括は引き続き、エグゼクティブアドバイザーであるフラビオ・ブリアトーレが担う。
ニールセンにとっては“古巣”への復帰となる。かつてルノーがベネトンの後継チームとして2005年と2006年にコンストラクターズおよびドライバーズタイトルを連覇した際、ニールセンはスポーティングディレクターとして中核的な役割を果たしていた。当時チームを率いていたのが、現在再建を主導しているブリアトーレだ。
ニールセンはロータス、ティレル、ホンダ、アロウズ、トロロッソ、ウィリアムズなど数多くのF1チームを渡り歩き、近年はフォーミュラ・ワン・マネジメント(FOM)や国際自動車連盟(FIA)でスポーティング部門の要職を歴任。F1の競技運営を支えてきた実績を持つ。
再建加速へ─要職に次々と人材投入
ニールセンの加入発表と同時に、アルピーヌは空力およびマーケティング部門においても人材を強化した。
空力開発部門の責任者には、クリス・ミッジリーを招聘。彼は2007年から2013年にかけて、エンストンを拠点とする当時のルノーチームに在籍した後、フェラーリに移籍し、主任空力エンジニアとして技術部門の中枢を担っていた。今回の復帰により、エグゼクティブ・テクニカルディレクターであるデビッド・サンチェスの指揮のもと、空力改革を主導する立場となる。
また、グローバル・マーケティング・ディレクターにはガイ・マーティンが就任。VISAにおいてヨーロッパ部門のスポンサーシップ責任者を務めていた同氏は、レーシング・ブルズ、FIFA、NFL、フォーミュラEなど、世界的スポーツのブランディングとエンゲージメントを手がけてきた経験を持つ。