
角田裕毅、史上最強「RB19」テストへ―レッドブルの狙いとは
レッドブル・レーシングはF1第5戦サウジアラビアGP終了後に、同チームのマシンに対する角田裕毅の理解をさらに深めるため、シミュレーターと実車テストを組み合わせた集中的なプログラムを計画していると、英専門メディア『The Race』がいち早く報じた。
レッドブルは、角田の技術的インプットがRB21の開発課題解決に寄与すると評価しており、次戦マイアミGPに向けた更なる飛躍を促すべく、2段構えのプログラムを用意。具体的には、サウジアラビアGP後の火曜日にシミュレーター作業を実施し、その翌日にシルバーストンで2023年型「RB19」による実車テストを実施する予定だという。
RB19は、シーズン全22戦中21勝、勝率95.45%というF1史上歴代最高成績を収めたマシンで、現行グラウンドエフェクトカーの理想形とも称される。ドライバーズタイトルを獲得したマックス・フェルスタッペンはRB19でシーズン19勝を挙げた。
レッドブルがRB19を選んだ理由については、現行グラウンドエフェクトカーが本来どのように機能すべきかを、角田により明確に体感させる狙いがあるとされる。
なお、この実車テストは「Testing of Previous Cars(TPC)」規定に則って実施される。F1チームには年間最大20日間のTPCが認められており、レギュラードライバーについては年間最大4日間・1,000kmまでの走行が許可されている。
レッドブルは今年2月、2025年シーズンの開幕に向けてリアム・ローソンに経験を積ませるべく、スペインのヘレス・サーキットで「RB19」を走らせた。今回の角田によるテストも、それに準じた意図があると見られる。
RB21とRB19は設計こそ異なるが、テストを通じて各種セットアップやアプローチを比較することで、世代を超えて共通するレッドブル車の特性を把握することが可能になるものと期待される。
なお今回の取り組みは、角田に対するレッドブルの高い期待の表れとも言えそうだが、英『Autosport』は、TPCを利用した走行計画について「レッドブルと契約を結んだ際にあらかじめ取り決められていた内容」との見方を伝えている。