フォードのマスタングGT3に搭載される5.4リッターV8エンジン、2023年5月24日
Courtesy Of Ford

レッドブルの盟友フォード、GMとアンドレッティのF1参戦を公に支持・ラブコール

  • Published:

フォード・パフォーマンス・モータースポーツのグローバルディレクターを務めるマーク・ラッシュブルックは、ゼネラル・モーターズ(GM)とアンドレッティのFIA-F1世界選手権参戦を公に支持し、ラブコールを送った。

フォードはレッドブル・パワートレインズと提携して次世代のパワーユニット(PU)の開発に取り組んでおり、2026年から少なくとも2030年までレッドブル・レーシングとその姉妹チーム、角田裕毅が現在所属するRBにPUを供給する。

GMは傘下の高級車ブランド、キャデラックを通してアンドレッティ・グローバルと共に4輪最高峰の参戦に向けて準備を進めているが、11番目のチームとしてのアンドレッティ・キャデラックの参戦計画は、F1の商業権保有者である米リバティ・メディアのグレッグ・マフェイCEOを筆頭に、激しい抵抗に遭っている

フォードのNASCARホイール・トランスデューサー・テストカーについて説明するフォード・パフォーマンス・モータースポーツのグローバルディレクターを務めるマーク・ラッシュブルック、2018年9月27日Courtesy Of Ford

フォードのNASCARホイール・トランスデューサー・テストカーについて説明するフォード・パフォーマンス・モータースポーツのグローバルディレクターを務めるマーク・ラッシュブルック、2018年9月27日

しかしながらラッシュブルックはモナコGPを前にしたAP通信との電話インタビューの中で「我々は他のメーカーと競うためにレースに取り組んでいる。F1には既に多くのメーカーが参加しているが、我々がゼネラル・モーターズをこのスポーツに是非とも迎え入れたいと願っているのは確かだ」と述べ、GMの参戦を公に支持した。

「特定のチームとは無関係に、彼らはパワーユニットメーカーとして参入できる能力を持っている。既存の10チームのいずれとも提携できるだろう」

「だから我々は彼らを歓迎する。アンドレッティについても同様だ。アンドレッティに反対する理由は何もない」

これを受け、シボレーを通してホンダと並びインディカーに参戦するGMのマーク・ロイス社長は 「マーク・ラッシュブルックに感謝する。同様に我々は、米国オープンホイール・レースの発展のためにフォードがインディカーに参戦する事を歓迎したい」とSNSに書き込んだ。

レッドブルとの提携を通したF1参戦に際しては「何の障害もなかった」としてラッシュブルックは、GMが参戦できるかどうかは、その形式次第との考えを示した。

「我々はアメリカ企業として参戦することができ、何の障害もなかった。ジーン・ハースもチームとして何の障害もなく参戦する事ができた。だから、このスポーツに参戦する方法を見つけることは可能だ。それは、このスポーツにどう参入するかという問題なのだ」とラッシュブルックは語った。

モハメド・ベン・スレイエムFIA会長はこれまで一貫して、FIAの厳格な審査を通過したアンドレッティの11番目のチームとしての参戦を支持してきたが、5月中旬のF1との共同声明を経て方針を転換。モナコGPの週末に、既存チームを買収するようアンドレッティに助言した。

また、同じくモナコでは、レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表、ザウバーのアレッサンドロ・アルンニ・ブラービ代表、RBのローラン・メキーズ代表、そしてアルピーヌのブルーノ・ファミン代表が、アウディがザウバーを買収したように既存チームを買収する事がアンドレッティの「目標達成への最善の道であることは明らかだ」と口を揃えた。