表彰台の上で健闘を称え合うセルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)とホンダF1の山本雅史マネージング・ディレクター、2021年10月24日F1アメリカGPにて
Courtesy Of Red Bull Content Pool

去るホンダを語るペレス、レッドブルにとってどれ程の損失?フォードへの期待については慎重姿勢

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ハッキリと口する事はなかったもののセルジオ・ペレスは、高い労働倫理と細部にまで徹底したこだわりを貫くホンダの離脱は、レッドブルにとって少なくない喪失になると考えているのかもしれない。

メルセデスに代わるV6ハイブリッド時代の新たな寵児となったホンダとレッドブルは、2025年末を以てその関係を解消する。ホンダはパワーユニット(PU)の電動比率が50%に引き上げられる新規定導入の2026年よりアストンマーチンにPU一式を供給する。

HRCの渡辺康治社長、本田技研工業の三部敏宏社長、アストンマーチンF1のローレンス・ストロール会長、グループCEOのマーティン・ウィットマーシュ、2023年5月24日のF1パートナーシップ締結発表会見にてCourtesy Of Honda Motor Co., Ltd

HRCの渡辺康治社長、本田技研工業の三部敏宏社長、アストンマーチンF1のローレンス・ストロール会長、グループCEOのマーティン・ウィットマーシュ、2023年5月24日のF1パートナーシップ締結発表会見にて

F1モナコGPを前に、レッドブルにとってホンダを失う事はどれほどの損失なのか?と問われたチェコは次のように述べ、まずはレッドブル・パワートレインズと技術提携したフォードに言及した上で、仕事に対するホンダの姿勢を高く評価した。

「もちろん、フォードとの提携に興奮しているけど、どうなるかは分からない。彼らとは仕事をした事がないからね」

「僕はこれまでホンダを見てきて、彼らの労働倫理や、あらゆる要求に対して細部にまでこだわる姿勢に大いに感銘を受けてきた」

「ドライバーとして、僕にとってそれは本当に印象深いものだったんだ」

マイクを握るセルジオ・ペレス(レッドブル)、2023年5月25日F1モナコGP木曜記者会見にてCourtesy Of Red Bull Content Pool

マイクを握るセルジオ・ペレス(レッドブル)、2023年5月25日F1モナコGP木曜記者会見にて

ペレスにとって、ワークスパートナーとの仕事はホンダが唯一、初めての経験である事を割り引いて考える必要はあるものの、些細なリクエストであっても投げかければそれに真摯に対応し、必ずプロジェクトに反映させていくホンダの仕事ぶりはペレスの心に何かを深く刻み込んだようだ。

「ホンダと一緒に仕事ができて本当に光栄だ」とペレスは語る。

「何かを要求するたびに物事が動き、あるいは少なくとも変化する様を見れたのは本当に感動的だった」

「シフトを通したエンジンの調整など、彼らは週末を通してドライバーのフィードバックに本当に注意深く耳を傾けていた。僕にとってそれは、本当に印象的なことだったんだ」

結局ペレスはホンダの喪失がレッドブルに及ぼす影響について具体的な発言を控えたが、そんなホンダを新たなパートナーとするシルバーストンの古巣チームはF1新時代のトップを争う事になるだろうと予想した。

「アストンはトップメーカーを手にする事になったトップチームだと思う。だから両者は2026年に最も強力なコンビの1つになると思う」とペレスは語った。

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