アルピーヌF1に更なる危機、技術部門のトップと幹部が相次ぎ辞表
チームはコメントを拒否しているが、アルピーヌF1チームのテクニカル・ディレクターを務めるマット・ハーマンと空力部門の責任者、ダーク・デ・ビアの2名が辞表を提出したようだ。
アルピーヌは1日(金)に行われたバーレーンでのシーズン開幕戦で2台揃って予選最下位に沈み、翌日の決勝でもエステバン・オコンが17位、ピエール・ガスリーが18位と厳しい結果に終わった。トラブルを抱えて大きく後退した2台のライバルがなければ再び最下位に終わっていた可能性が高い。
ハーマンとデ・ビアは2024年型F1マシン「A524」の発表前に辞表を提出しており、4月にはチームを去るものと見られている。必然的にアルピーヌは上級技術者が抜けた穴を埋めなければならず、コース上でのパフォーマンス不足に加えて更なる頭痛の種を抱えることになる。
英国エンストンのチームは現在、激動の真っ直中にある。
昨年は7月末にオトマー・サフナウアーとアラン・パーメインがそれぞれチーム代表とスポーティング・ディレクターの職を追われ、その後はパット・フライが最高技術責任者の職を辞し、ローラン・ロッシもCEOを解任された。
メルセデスAMGでの経験からパワーユニット開発に関する豊富な経験と知識を持つハーマンは2018年にチーフデザイナーとしてアルピーヌの前身、ルノーに加わると、翌年にエンジニアリング・ディレクターに就任。2021年のアルピーヌへのリブランド後も同職を務め、2022年にテクニカル・ディレクターに昇進した。
デ・ビアはザウバー、ルノー(ロータス含む)、フェラーリ、ウィリアムズで一貫してエアロダイナミクスの上級職を歴任してきたエンジニアで、2019年に空力部門の責任者としてエンストンのチームに復帰した。
A524は重量過多で空力効率も悪く、1ラップペースが遅い上にロングラン・パフォーマンスも低く、チームが買収されかねないほど深刻な状況との見方もある。