シュタイナー「辛かった」ハースF1に別れ言えず…電撃退任を経て初めて口を開く
ハースF1チームの元チーム・プリンシパル、ギュンター・シュタイナーが電撃退任後、初めて公の場で口を開き、事の顛末や将来の計画について語った。
ケビン・マグヌッセンとニコ・ヒュルケンベルグを擁するハースは昨年、コンストラクターズ選手権最下位に終わった。オーナーのジーン・ハースはチーム創設を主導し、10年近くに渡って指揮を取ってきたシュタイナーとの契約を終わらせた。
後任のチーム代表に抜擢されたのは、「統計に基づいて物事を見る」という「非常に技術的」な思考方法、シュタイナーとは「異なる」資質を持つチームのエンジニアリング・ディレクター、小松礼雄だった。
ハースとの”突然”の別れに動揺したファンも多い事だろう。だがこれはシュタイナーにとっても同じだったようで、 共に泣き、共に笑い合った仲間たちに別れを告げるチャンスすら与えられなかったという。
英「AUTOSPORT」によると、1月13日(土)に英国バーミンガムで開催されたイベントの中でシュタイナーは、契約を更新しない旨の知らせを受けたのは電話で、クリスマスから新年にかけての事であったと明かした。
シュタイナーは「ハースF1を辞める際にお礼を言う機会がなかった」と語り、そのことが「辛かった」として、「きちんと別れを告げる事ができなかったチームのメンバー全員に感謝したい」と続けた。
「私がハースにいる間、応援してくれたファンのみんなにも同じように伝えたい。あれは本当に素晴らしいものだった。みんなには本当に感謝している」
解任の兆候はあったのか?豪「speedcafe」によるとシュタイナーは「もちろん驚いたが、結局のところ、これはチームの所有者の決断だ。彼は自分のやりたいことをやれる立場にある」と語った。
自身の将来については時間をかけて考えたいのか、または焦る必要がないと感じているのか、決断を「急いでいるわけではない」としたうえで、F1でのキャリアを継続したいという願望があるかどうかさえ分からないと説明した。
シュタイナーは、F1では「多くの人々に会い、多くの友人を作った」として、F1キャリア継続に有益な人的ネットワークが豊富にある事を示唆しつつも、「F1が私を必要としているのかどうか、私にはわからない」「F1に留まるためだけに仕事を探すのは、私が望んでいることではないかもしれない」と語った。
当面の間は、14歳の娘を含めて家や家族の事に時間を費やして「少しリラックス」する意向だという。
「大変な10年だったが、やるべきことはたくさんある。家には掃除しなきゃならないものが山積みなんだ」とシュタイナーは語る。
「家族と一緒に過ごすのも良いものだ。私の娘は14歳なのだが、かなり要求が厳しくてね。それをなんとかしようとするのはF1チームを運営するよりも難しいかもしれない」
「数ヶ月間はそんな風に過ごすつもりだ」